赤外線暗視カメラの仕組みと選び方——完全な暗闇でも撮影できる防犯カメラの全知識

防犯カメラは24時間365日稼働し続ける設備です。暗闇・風雨・粉塵の多い現場でも映像を撮影し録画し続ける必要があります。空き巣・窃盗犯・いたずらなどはほとんどが夜間に発生するため、防犯カメラが夜間の暗闇の中でしっかり撮影できるかどうかは、防犯設備としての実効性に直結します。

本記事では、暗闇でも撮影できる「赤外線暗視カメラ」の仕組みを基礎から解説し、選び方・設置の注意点・白飛びのトラブルシューティング・スターライトカメラとの比較まで詳しくお伝えします。

夜間の防犯対策——カメラ以前にできること

赤外線暗視カメラの話の前に、夜間防犯の基本を確認しておきます。防犯カメラ以外の手段も組み合わせることで、防犯効果が大きく高まります。

常夜灯・センサーライトの設置

「明かりをつけること」は最もシンプルな夜間防犯対策です。常夜灯を設置することで「暗い場所を好む犯罪者」の行動を抑制できます。常夜灯の設置が難しい場合は、人が通った際だけ点灯するセンサーライトでも十分な効果があります。センサーライトは暗がりに人が近づくと自動点灯するため、犯罪者への心理的プレッシャーとなります。センサーライト付きの防犯カメラを選ぶことで、ライトの点灯と同時にカラー映像での録画が可能になります。

防犯砂利の活用

夜間、暗闇の中でも防犯砂利の上を歩くと「ジャリジャリ」という音が鳴ります。暗闇の中では人間の聴覚が鋭敏になるため、この音で侵入者が気づかれることを恐れて犯行を諦めるという効果があります。視覚的な対策が難しい場所でも「音による防犯」として有効です。

これらの対策に加えて「夜間でも映像を記録できる」赤外線暗視カメラを設置することで、「音で気づく・ライトで照らす・カメラで記録する」という三重の防犯体制が実現します。

➡ センサーライトとの組み合わせ効果と選び方はこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/4908/

赤外線暗視カメラとは——0ルクスでも撮影できる仕組み

赤外線とは何か

赤外線とは光に含まれる波長の一種で、770nm(ナノメートル)以上の波長を指します。人間の目で感知できる波長は380〜770nm程度であるため、赤外線は人の目には見えません。しかしカメラのイメージセンサー(CMOSセンサー)は赤外線を含む光を感知できるため、赤外線を使った撮影が可能です。

赤外線暗視カメラの仕組み

赤外線暗視カメラには、レンズの周囲に赤外線LEDを複数搭載しています。夜間になると、カメラが自動でこの赤外線LEDを点灯させて前方に赤外線を照射します。照射された赤外線は被写体(人物・地面・建物)に当たって反射し、その反射した赤外線をカメラのイメージセンサーが捉えることで、映像として記録します。

この仕組みにより、光が全くない0ルクスの完全な暗闇でも暗視撮影が可能になります。撮影された映像は白黒(モノクロ)映像です。赤外線は人間の目では見えないため、周囲は暗いままですが、カメラの映像だけが白黒で鮮明に見える状態になります。

➡ 赤外線暗視カメラとは?仕組みと特徴の詳細はこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/8438/

➡ 完全な暗闇でも撮影可能な赤外線暗視機能の詳細はこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/3065/

IRカットフィルター——昼夜の切り替えに欠かせない仕組み

IRカットフィルターとは

カメラのイメージセンサーは赤外線の波長まで感知してしまうため、IRカットフィルターなしで昼間の撮影をすると映像全体が赤っぽい色になってしまいます。これを防ぐために搭載されているのが「IRカットフィルター(赤外線カットフィルター)」です。

昼間はIRカットフィルターが機能して自然なカラー映像を撮影し、夜間は赤外線LEDを照射して暗視撮影するために内部のIRカットフィルターを外す仕組みになっています。このIRカットフィルターが切り替わる瞬間に「カチッ」という音がするのを聞いたことがある方もいるかもしれません。これはフィルターを物理的に動かす機構が動作する音です。

照度センサーが外の明るさを感知して自動でこの切り替えを行うため、ユーザーが手動で操作する必要はありません。

➡ IRカットフィルターの仕組みと知っておくべきポイントはこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/11521/

デイナイト機能との関係

「デイナイト機能」とは昼間はカラー、夜間はモノクロで撮影する機能です。現在ほぼすべての防犯カメラに搭載されています。赤外線暗視機能が普及する以前は「ある程度の明るさがある場所でのモノクロ撮影」という用途でしたが、赤外線LEDと組み合わせることで「完全な暗闇でもモノクロ暗視撮影が可能」な機能へと進化しました。

赤外線暗視カメラを選ぶ3つのポイント

ポイント① 赤外線照射距離——撮影したい距離に合わせる

赤外線には照射距離があります。照射距離が届かない場所では暗視撮影ができないため、設置場所と撮影したい被写体との距離を計算して選ぶことが重要です。

重要な注意点として、製品仕様に記載されている「赤外線照射距離○m」は、赤外線が被写体に届いて反射した光がカメラに戻ってくる往復の距離です。そのため被写体に実際に届く距離は、照射距離の約半分が目安になります。例えば「赤外線照射距離20m」の場合、実際に撮影できる被写体までの距離はおよそ10m程度と考えてください。

広い農地・大きな駐車場など、カメラから被写体までの距離が長い場所では「照射距離50m以上」の機種を選ぶことで、広い範囲の暗視撮影が可能になります。

ポイント② 発光型と非発光型——設置場所の雰囲気に合わせる

赤外線暗視カメラには「発光型」と「非発光型」の2種類があります。

発光型: 夜間に赤外線LEDが赤く光ります。「カメラが設置されている」ことが外から一目でわかるため、侵入者への威嚇効果・犯罪抑止効果が高くなります。住宅・倉庫・駐車場など、抑止効果を重視したい設置場所に向いています。

非発光型: 赤外線LEDが赤く光りません。赤外線による暗視撮影は行われていますが、見た目には光っていないため来訪者・顧客に威圧感を与えません。バー・レストラン・ホテルロビーなど、雰囲気を損ねたくない場所や室内の店舗への設置に適しています。

NSKダイレクトショップでは発光型・非発光型両方のナイトビジョンカメラをラインナップしています。

➡ ナイトビジョンカメラ(発光型・非発光型)の詳細はこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/2781/

ポイント③ スマートIR機能——白飛びを自動で防ぐ

近年の赤外線暗視カメラには「スマートIR」機能が搭載されています。スマートIRとは現場の環境に合わせて赤外線の強さ・広がり方を自動で調整する機能です。

赤外線の強さが一定の場合、設置場所によっては赤外線が強すぎて反射光によって映像が真っ白(白飛び)になってしまうことがあります。スマートIRが搭載されていると、この問題を自動で抑制できます。ただし後述の理由でスマートIRが誤作動することもあるため、完全ではありません。

赤外線暗視カメラの設置における注意点

注意点① 白飛びに注意——設置角度と向きが重要

赤外線暗視カメラで最もよくあるトラブルが「白飛び」です。夜間の映像が真っ白になってしまい、何も見えない状態になるものです。

白飛びの主な原因は赤外線の反射が強すぎることです。壁の近くにカメラを設置した場合、赤外線が壁に当たって強く反射し映像が白飛びします。カメラを屋外の軒下・庇(ひさし)の下に設置した場合も、真下の壁に赤外線が反射することがあります。

対処法はカメラの向きを調整することです。壁に反射しない角度にカメラを向けることで改善する場合があります。またスマートIRをオフにすることで改善する可能性もあります。

➡ 防犯カメラの映像が白飛びする原因と対処法の詳細はこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/2774/

注意点② 虫・蜘蛛の巣が映像を妨害する——定期的なメンテナンスが必須

赤外線暗視カメラに関するお問い合わせで最も多いのが「夜間に映像が白くなる・虫のようなものが映っている」という内容です。

赤外線LEDは熱を発するため、夜間に虫が集まりやすくなります。カメラの前を飛んでいる虫に赤外線が反射することで白い点・白いもやのように映ります。また時間が経つにつれて蜘蛛の巣がレンズ前に張ることがあり、これが映像全体を白くしてしまう原因になります。

これを防ぐには定期的な清掃・メンテナンスが重要です。設置場所によってはレンズの汚れが1年程度で目立つようになります。定期的(2〜3か月に1回程度)にやわらかい布でレンズ表面を拭き取ってください。

注意点③ 映像は白黒になる——カラー映像が必要な場合の対策

赤外線暗視撮影の映像は白黒になります。人物の服の色・車両の色などが記録されないため、証拠映像としての詳細が限られるという弱点があります。

夜間のカラー映像が必要な場合は2つの対策があります。センサーライト付きカメラを選ぶことで、ライトが点灯している間はフルカラーでの撮影が可能になります。もしくはスターライトカメラを選ぶことで、わずかな光量でもカラー撮影が可能になります。

注意点④ 赤外線LEDの寿命——約5年で交換の時期に

赤外線LEDには寿命があります。使用する製品・メーカーによってばらつきはありますが、約20,000時間(年数にして約5年程度)で寿命が来るとされています。寿命が近づくと暗視撮影の距離が短くなったり、映像が暗くなったりします。5年以上同じカメラを使用している場合はこの点を考慮してください。

赤外線暗視カメラ vs スターライトカメラ——どちらを選ぶか

夜間のカラー映像を重視する場合、赤外線暗視カメラに加えて「スターライトカメラ」という選択肢があります。

スターライトカメラはソニーが開発した「STARVISセンサー」などの高感度イメージセンサーを搭載しており、わずかな光量でもカラー撮影できます。赤外線での白黒撮影ではなく、街灯程度の明かりがある環境であれば夜間もカラー映像が得られます。

ただしスターライトカメラは完全な暗闇(0ルクス)では撮影できません。わずかな光量が必要です。街灯・外灯がある場所での設置が前提になります。完全な暗闇が想定される農地の奥や倉庫内では赤外線暗視カメラの方が適しています。

  赤外線暗視カメラ スターライトカメラ
完全な暗闇(0ルクス) 撮影可能 不可(わずかな光が必要)
夜間映像の色 白黒 カラー
証拠映像の詳細 服の色が不明 服の色・車両の色が記録される
向いている場所 街灯なし・完全な暗闇 街灯あり・ある程度の明かりがある場所

➡ スターライトカメラの特徴とメリットの詳細はこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/7942/

設置場所別のおすすめ——赤外線照射距離と発光型の選択

住宅の玄関・駐車場: 照射距離10〜20m程度で十分です。発光型を選んで「防犯カメラ設置中」という視覚的な抑止効果を重視することをおすすめします。

農地・倉庫外周(広い屋外): 照射距離30〜50m以上の機種を選んでください。広いエリアを1台でカバーするために電動ズーム機能付きカメラも有効です。

店舗内・ホテルロビー: 非発光型を選んで来訪者への威圧感を抑えながら夜間も暗視撮影します。

工場・資材置き場: 完全な暗闇になるケースが多いため、赤外線暗視機能が必須です。照射距離の長い機種を選んでください。

➡ 屋外防犯カメラの選び方完全ガイドはこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/12058/

まとめ——夜間防犯の要は赤外線暗視カメラ

赤外線暗視カメラは、完全な暗闇(0ルクス)でも撮影できる防犯カメラの夜間撮影における中核的な技術です。「センサーライトとの組み合わせ・防犯砂利の活用・赤外線暗視カメラの設置」という三重の夜間防犯体制が、夜間犯罪への最も効果的な対策です。

設置時は赤外線照射距離の確認・発光型と非発光型の選択・白飛び対策・定期的なメンテナンスという4点を押さえることで、赤外線暗視カメラの本来の性能を長期間発揮させることができます。

製品選び・設置場所についてのご相談はNSKダイレクトショップへお気軽にお問い合わせください。

➡ ワイヤレス防犯カメラセット一覧はこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/category/item/normals/wireless-camera-set/

お問い合わせ:https://n-sk.jp/consumer/directshop/contact/

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