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「防犯設備士」という資格をご存知でしょうか。住宅・店舗・施設の防犯対策を専門的にアドバイスする民間資格で、防犯カメラ・センサー・出入管理設備など幅広い防犯設備に関する知識を持つプロフェッショナルです。
本記事では、防犯設備士の資格概要・取得方法・費用・上位資格である総合防犯設備士との違い・実際にどのような業務を行っているのかを詳しく解説します。
防犯設備士とは——昭和61年から続く防犯のプロフェッショナル資格
防犯設備士は、公益社団法人日本防犯設備協会が認定する民間資格です。この資格認定制度は昭和61年(1986年)に警察庁や関連団体の要請・支援を受けて設立され、2026年には創立40周年を迎える歴史ある制度です。
2025年4月1日現在、防犯設備士の資格取得者は32,798名に上ります。各地域で防犯アドバイザーの委嘱条件になったり、防犯設備メーカー・商社の社員教育の一環として活用されたり、名刺に資格名称・資格者番号を記載することで取引時の安心感を生み出すなど、防犯業界において広く認知された資格です。
近年では資格の社会的な位置づけも強化されています。2025年8月より、防犯設備士及び総合防犯設備士は建設キャリアアップシステム(CCUS)における能力評価基準(住宅建築関連技能者)の中で、防犯設備士はレベル2相当、総合防犯設備士はレベル3相当として位置づけられることになりました。これにより、事業者・技能者の双方にとって資格取得のメリットがより明確になっています。
防犯設備士の資格取得方法——申し込みからオンライン講習・試験まで
申し込み方法とスケジュール
防犯設備士の資格取得を希望する方は、公益社団法人日本防犯設備協会の公式ホームページから申し込みが可能です。申し込みスケジュールは年4回設けられており、ご自身のタイミングで受講を計画できます。
オンライン講習の流れ
申し込み後はオンライン講習を受講します。講習動画がオンラインで配信されるため、インターネット回線(Wi-Fiも可)と接続できる機材(パソコン・タブレット・スマートフォンなど)があれば、自宅からでも受講できます。講習期間は約2か月間です。
学習教材としては「防犯設備士テキスト(本編)」「同(資料編)」が協会から送付されます(再受験者への送付はありません)。試験範囲はこの防犯設備士テキスト(本編)のみとなっており、オンライン講習はこのテキストの理解を深めるために重要部分を解説する位置づけです。
なお、高画質で動画講習を受講するには5Mbps以上のインターネット環境が推奨されています。スマートフォンなど画面が小さい端末では講習画面に表示される資料が見えにくくなる場合があるため、できればパソコンやタブレットでの受講をおすすめします。
試験方式——CBT方式で全国のテストセンターから選択可能
講習を修了した後は資格認定試験を受験します。試験はCBT(Computer Based Testing)方式で実施され、株式会社CBT-Solutionsが運営するテストセンターで受験します。全国47都道府県にある約300か所のテストセンターの中から、受験者自身がインターネットで会場・日時を予約する仕組みです。試験期間は約2か月間の中から都合の良い日程を選べます。
講習内容——防犯設備に関する幅広い知識
防犯設備士の講習・試験範囲は、防犯設備に関する非常に幅広い知識をカバーしています。防犯の基礎、電気の基礎、設備機器(侵入警報設備・防犯カメラ設備・出入管理設備・インターホン設備・不正持ち出し監視設備・防犯グッズ)、設備設計、施工・維持管理といった内容が含まれます。
防犯カメラだけでなく、侵入警報設備・出入管理設備(オートロック・ICカードリーダーなど)・インターホン設備まで体系的に学ぶことで、住宅・店舗・施設の防犯を「設備全体」として提案できる知識が身につきます。
防犯設備士の欠格事由
防犯設備士の資格取得には、以下の欠格事由に該当しないことが条件となります。
禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から3年を経過しない者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者、アルコール・麻薬・大麻・あへん又は覚せい剤の中毒者、がこれに該当します。
防犯のプロフェッショナルとしての社会的信頼を担保するため、こうした厳格な欠格事由が定められています。
防犯設備士の受講料
防犯設備士の受講料は受験者の立場によって以下のように設定されています(すべて消費税込み)。
日本防犯設備協会会員: 38,500円(受験料:11,000円、受講料:27,500円)
日本防犯設備協会会員以外: 44,000円(受験料:11,000円、受講料:33,000円)
学生: 22,000円(受験料:5,500円、受講料:16,500円)——学生の場合は受講受験費用が半額になる学割制度が用意されています。防犯・セキュリティ業界への就職・転職を検討している学生の方に向いた制度です。
不合格または欠席の場合: 再受験料11,000円(協会会員・会員以外・学生共通)で再受講が可能です。ただし、2年以内2回までという回数制限があります。
資格更新制度——2025年・2026年の改正に注意
防犯設備士の資格は取得して終わりではなく、定期的な更新が必要です。2013年度(平成25年度)の資格取得者から3年毎の資格更新が義務付けられています。
特に注意したいのは、この資格更新制度が2025年4月1日・2026年4月1日の二段階で大きく改正される点です。有効期限に達しても資格更新をしなかった場合は資格停止となり、防犯設備士としての名刺記載・企業内資格取得者数へのカウントなどができなくなります。
さらに2026年4月1日以降は、資格停止期間が1年間となり、1年を超えても資格更新を行わない場合には資格失効となります。資格を維持し続けたい方は、この改正内容を踏まえて更新時期を逃さないよう注意してください。
なお、2012年度以前に防犯設備士の資格を取得された方については、2025年5月現在は資格更新の義務はありませんが、新しい知識を継続的に習得し的確な対応ができるよう、協会は資格更新を推奨しています。資格更新を行うと「防犯設備士(優良)」という位置づけになり、最新の防犯設備士テキストが無償で進呈されます。ただし、一度資格更新を行った後は5年ごとの資格更新義務が発生する点にも注意してください。
※参考:公益社団法人日本防犯設備協会「資格更新手続きのご案内」(https://www.ssaj.or.jp/security_officer/koshin_tetsuduki.html)
総合防犯設備士とは——わずか400名程度の狭き門
防犯設備士の上位資格として「総合防犯設備士」が存在します。資格取得者数は防犯設備士の32,798名(2025年4月時点)に対して、総合防犯設備士は数百名規模にとどまっており、いかに狭き門であるかがわかります。
総合防犯設備士に求められる能力
総合防犯設備士は、防犯設備士としての設備に関する知識に加えて、防犯設備に対する監査・監理・コンサルティングを行う能力が求められる、より高度な資格です。また防犯設備士を育成・教育するための総合的な防犯知識も求められます。
総合防犯設備士の試験内容
総合防犯設備士の資格認定試験は、防犯設備士よりもさらに専門的な内容で構成されています。「セキュリティについて」「犯罪と防犯」「防犯対策の構築」「総合防犯監査」「防犯コンサルティング」といった講習の後に確認テストが実施されます。
二次試験は面接口頭方式で実施され、一次試験(講習試験)の結果と合わせて総合評価で合否が判定されます。受験にあたっては、地域協会会長などからの推薦書の添付が必要で、講習認定試験の受験前には当該年度の受験セミナーを1回以上受講することが条件となるなど、防犯設備士よりも格段に高いハードルが設けられています。
CCUSにおける位置づけ
前述のとおり、2025年8月より総合防犯設備士は建設キャリアアップシステム(CCUS)における能力評価基準でレベル3相当として位置づけられています。これは防犯設備の専門家としての社会的な評価・信頼性が制度的にも裏付けられたことを意味します。
防犯設備士・総合防犯設備士が実際に行っている業務
資格を取得した防犯設備士・総合防犯設備士は、具体的にどのような活動をしているのでしょうか。
防犯設備・システムの提案と構築
最も中心的な業務が、防犯設備やシステムの提案・構築です。「侵入されにくい家」を実現するためには、適切な位置に適切な防犯設備を設置することが不可欠です。そのため防犯設備士は、防犯設備を導入する現場を実際に調査し、その建物・施設の構造・立地・リスクに応じて最適な防犯システムを構築することを重要な役割としています。
防犯診断
防犯設備の提案だけでなく、防犯に関するさまざまな相談を受けて「防犯診断」を実施することも防犯設備士の業務です。住宅・店舗・施設のセキュリティ上の弱点を専門的な視点から診断し、具体的な改善策を提案します。
啓蒙活動・セミナーの実施
近年増加傾向にあるサイバー犯罪・特殊詐欺などの犯罪についても、被害拡大を防ぐための啓蒙活動・セミナーの実施が防犯設備士の業務に含まれています。物理的な防犯設備だけでなく、地域住民・企業に対する防犯知識の普及という社会的な役割も担っています。
地域防犯への貢献
防犯設備士は各地域において防犯アドバイザーとして委嘱されるケースもあり、地域の防犯活動に専門知識を持って貢献しています。町内会・自治会の防犯対策の相談相手としても活用されています。
防犯設備士の資格はこんな方におすすめ
日本防犯設備協会は、以下のような方に防犯設備士の資格取得をすすめています。
防犯・セキュリティ業界へ就職・転職を検討している方には学割制度(受講受験費用が半額)が用意されています。防犯設備・防犯相談・防犯診断などに興味がある方にとっては、町内会や自宅などの身近な防犯にも役立つ知識が得られます。防犯の基礎・防犯設備・防犯システムの設計・施工などをしっかり学びたい方にとって、防犯設備士のカリキュラムは体系的な学習機会になります。
まとめ——防犯設備士は防犯のプロフェッショナル集団
防犯設備士とは、防犯設備に関する幅広い知識を持ち、住宅・店舗・施設の防犯設備の提案・構築・診断を専門的に行うプロフェッショナルです。上位資格である総合防犯設備士はさらに高度な監査・コンサルティング能力が求められる、非常に狭き門の資格です。
2025年・2026年には資格更新制度の改正、CCUSでの能力評価基準への位置づけなど、防犯設備士・総合防犯設備士を取り巻く制度も進化しています。防犯設備に関する専門性が社会的にますます重視される中、これらの資格は防犯業界における信頼の証としての価値を高め続けています。
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※参考:公益社団法人日本防犯設備協会「防犯設備士」(https://www.ssaj.or.jp/security_officer/) ※参考:公益社団法人日本防犯設備協会「総合防犯設備士」(https://ssaj.or.jp/security_officer_sogo/index.html) ※参考:公益社団法人日本防犯設備協会「防犯設備士 試験のご案内」(https://www.ssaj.or.jp/security_officer/shiken.html) ※参考:公益社団法人日本防犯設備協会「総合防犯設備士 試験のご案内」(https://www.ssaj.or.jp/security_officer_sogo/shiken.html) ※参考:Wikipedia「防犯設備士」(https://ja.wikipedia.org/wiki/防犯設備士)
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