当店で取り扱いしているワイヤレス防犯カメラは、電波を使った防犯カメラです。電波とは離れた場所の機器同士を無線でつなぐことができる便利な機能ですが、目に見えないものであるため、取り扱いには注意が必要です。今回はワイヤレス防犯カメラの無線通信について解説いたします。
電波の周波数について
ワイヤレスを説明する際に重要になるのが、周波数です。周波数とはワイヤレス通信をする際の帯域となっており数値で割り当てられています。総務省による周波数帯ごとの主な利用用途はこのようになっております。
引用元
使用する用途ごとや機器によって使う周波数帯が変わってきます。私たちの生活に馴染みのあるWIFI(無線LAN)は2.4GHz帯を利用しています。他にも携帯電話が使われる前に流行っていたPHSは1.9GHz帯となっております。
数値が大きくなるほど直進性が高くなり、情報伝送容量が大きくなります。つまり電波干渉が少なくなりより大容量のデータ送信が可能になります。
ワイヤレス防犯で使われている周波数はWIFIと同じ2.4GHz帯のため、他の機器の通信に干渉しやすくなっておりますので、設置の際にはしっかりと使えるかどうか事前に確認することが重要となります。
なぜ2.4GHzなのか
そもそもなぜ電波干渉しやすい2.4GHzがを使っているのかについてですが、5GHzは電波干渉がしにくいため、より遠くまで電波を飛ばすことができますので、活用することができればよりワイヤレス防犯カメラの可能性も広がります。
しかし5GHzは電波法により屋外での通信を禁止されております。理由としては5GHzは航空無線や人口衛星が使っている周波数になりますので、原則利用は屋内に限定されています。W56と呼ばれる5.6GHzであれば屋外での利用が可能ですが、DFS機能が搭載されいるものに限ります。DFSとは電波干渉があるかチェックして、電波干渉が分かると自動で周波数を切り替える機能です。
ワイヤレス防犯カメラにこの機能があると、映像が途切れてしまったり録画できないという問題が発生しますので、基本的には2.4GHzを使用しています。インターネットを使えば5GHzを使った海外の防犯カメラを購入できますが、もし違反した場合罰則がありますので厳重注意です。
ワイヤレス防犯カメラを使う際の注意点
あらためてワイヤレス防犯カメラを使う際の注意点についてご説明します。ワイヤレス防犯カメラの電波の距離ですが、見通し100メートルなど仕様書に書かれていることが多いですが、あれば何の障害物も電波干渉もない場合になります。私の自宅にも設置しておりますが、木造の一戸建てで15メートルで限界です。映像は出てもコマ落ちしたりする可能性があります。
また鉄筋コンクリートではご利用いただけませんので注意が必要です。以下はNTTドコモが運営するおうちネットプレスからの引用です
鉄筋コンクリート造の建物にWi-Fiの電波が届かない理由は、主に以下が考えられます。
- マンションの壁の枚数や厚さによって電波が減衰している
- 静電遮蔽の影響を受けている
Wi-Fiは電波なので、水や金属、コンクリートなどを通過する際に減衰する性質があります。鉄筋コンクリート造の建物内で、Wi-Fiルーターと離れた位置から接続しようとすると、壁の影響でWi-Fiの電波が減衰し、届かなくなる可能性があるでしょう。
また、鉄筋コンクリート造の建物では「静電遮蔽」と呼ばれる電波が吸収される現象が発生して、Wi-Fiが届きにくくなることも考えられます。鉄筋コンクリート造の建物に住む場合は、静電遮蔽の対策も念頭においてインターネット環境を構築する必要があります。
鉄筋コンクリートでの利用を考えている場合はご注意ください
SIMカメラの電波はどうなの?
先ほどのワイヤレス防犯カメラは2.4GHzの通信でしたが、SIMカメラについては、4G、LTE通信となりますので、話しが変わります、「プラチナバンド」と呼ばれる700M~900MHz帯と、主要バンドとして使われる1.5G~3.5GHz帯を主に使っており、大出力の電波塔から電波を出しているため基本的には屋内でも利用が可能です。家の中にいてもビルの中にいても電話ができるので基本的にはどこでも使用が可能です。
山間部や田舎では電波塔が立っておらず、電波の届かない場所もありますので携帯が繋がらない場所では基本的にSIMカメラも使えないと思っていただければ大丈夫です。こちらも余談ではありますが、携帯電波を増幅する機械がアマゾンなどのインターネット通販では販売されていますが、こちらも電波法違反になりますのでご注意ください。電波法違反の場合は罰則も重いのでこの機会にぜひ覚えていただければ幸いです
Q2-3 電波法での罰則はどうなるの? 電波法の規定に基づき、“1年以下の懲役又は100万円以下の罰金”の罪に問われます。 更に、重要な無線局に妨害を与えると、“5年以下の懲役又は250万円以下の罰金”に処せられることになります。
総務省Q&Aより引用
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