防犯カメラのIP規格(防水・防塵)とは——IP65・IP67の違いと設置場所別の選び方

防犯カメラを屋外に設置する際に必ず確認すべき仕様のひとつが「IP規格」です。「IP65」「IP66」「IP67」という表記を目にしたことがある方も多いでしょう。この数字が何を意味するかを正しく理解しておかないと、「設置したカメラが雨で浸水してしまった」「思ったより早く故障した」という事態になりかねません。

本記事ではIP規格の基礎から各等級の具体的な違い・設置場所別の推奨IP等級・NSKダイレクトショップの製品ごとのIP規格まで詳しく解説します。

IP規格とは——国際標準の防塵・防水性能指標

IP規格とは「Ingress Protection(異物侵入に対する保護)」の略で、電子機器の防塵性能と防水性能を数値で表す国際規格です。IEC(国際電気標準会議)が定めたもので、日本のJIS規格(JIS C 0920)もこれに準拠しています。

「IP○○」という形で表記され、最初の数字(第1特性数字)が防塵性能、2番目の数字(第2特性数字)が防水性能を表します。数値が大きいほど保護レベルが高くなります。

例えば「IP65」であれば防塵性能が「6」、防水性能が「5」という意味です。「IP66」と比較すると、防塵性能は同じ「6」でも防水性能が「6」に上がっているため、より高い防水性能があることになります。

このようにIP規格はひとつの数値ではなく「防塵の数字」と「防水の数字」の組み合わせで表されているため、両方の数字の意味を正しく理解することが重要です。

防塵性能(第1特性数字)——0〜6の7段階

防塵性能は0から6までの7段階で評価されます。

0: 保護なし。固形物に対して一切の保護がない状態です。

1: 直径50mm以上の固形物から保護。手などの大きなものが内部に入らない程度の保護です。

2: 直径12.5mm以上の固形物から保護。指など細長いものの侵入を防ぎます。

3: 直径2.5mm以上の固形物から保護。工具・電線などの侵入を防ぎます。

4: 直径1.0mm以上の固形物から保護。細かい針金などの侵入を防ぎます。

5: 防塵(じんあい保護)。完全な防塵ではありませんが、有害な量の粉塵が内部に入ることを防ぎます。屋外の砂埃・粉塵にさらされる環境での使用に対応します。

6: 耐塵(完全防塵)。いかなる量の粉塵も内部に侵入しない完全な防塵性能です。工場・農地・建設現場など、粉塵が多い環境での使用に最も適しています。

屋外設置の防犯カメラでは、砂埃・土埃・花粉・昆虫などの侵入から内部回路を守るために「5」以上、理想的には**「6」(完全防塵)** を選ぶことをおすすめします。

防水性能(第2特性数字)——0〜8の9段階

防水性能は0から8までの9段階で評価されます。各段階の意味を具体的に確認しましょう。

0: 保護なし。水に対する保護がまったくない状態です。

1: 垂直に落下する水滴からの保護。真上から落ちてくる水(雨のような垂直降水)には対応しますが、横から水がかかる状況では保護されません。

2: 垂直より左右15°以内からの水滴からの保護。真上から少し傾いた方向からの水滴に対応します。

3: 鉛直から両側60°以内からの噴霧(スプレー状の水)からの保護。上方から霧状に噴射された水には対応しますが、横方向からの水には対応しません。

4: あらゆる方向からの水しぶきからの保護。どの方向から水しぶきが来ても内部への侵入を防ぎます。軽い雨や水しぶきには対応できますが、強い水流は想定していません。

5: あらゆる方向からの水の直接噴流からの保護。ホースなどで噴射された水流に対しても内部への侵入を防ぎます。通常の雨・風雨での使用に対応します。

6: あらゆる方向からの強い水の直接噴流からの保護。「5」より強い水流、高圧洗浄機に近い強い噴流に対しても内部への侵入を防ぎます。台風・強風を伴う大雨でも安心して使えます。

7: 一時的な水没からの保護。水深1mに30分間沈めた状態でも内部への侵入を防ぎます。水辺・川沿い・洪水リスクのある場所への設置に対応します。

8: 長時間にわたる水没からの保護。水深1m以上・30分以上の水没にも対応します。水中での使用を想定したレベルです。

防犯カメラの屋外使用では一般的に「5(通常の雨風)」「6(強い雨風・台風)」「7(水没リスクがある場所)」が目安となります。

IP65・IP66・IP67の具体的な違いと適した設置場所

防犯カメラで最も多く見られるIP65・IP66・IP67の3つを具体的に比較します。

IP65——防塵+あらゆる方向からの直接噴流に対応

防塵: 第1数字「6」→ 完全防塵(粉塵の侵入なし)

防水: 第2数字「5」→ あらゆる方向からの直接噴流に対応

「完全防塵」かつ「ホースによる噴射程度の水流に対応」というレベルです。通常の雨・屋外の砂埃には対応していますが、台風・強風を伴う横殴りの大雨では水が侵入するリスクがあります。

向いている設置場所: 軒下・庇(ひさし)の下・ベランダの奥など、雨が直接かかりにくい場所。農地・工場(極端な砂埃環境でなければ)への設置に対応。北側・東側など風が当たりにくい向きへの設置。

注意点: IP65は屋外でも使用できますが、梅雨・台風・冬の季節風など長期間にわたって強い雨風にさらされる場所では浸水リスクが上がります。「完全に雨ざらしになる壁面」への設置よりも、「軒下の保護がある場所」への設置を推奨します。

NSKダイレクトショップのX-1ソーラーバッテリーPTZカメラ(Wi-Fiモデル・4Gモデル)はIP65に対応しており、屋外への設置が可能ですが、できれば軒下や庇がある位置への設置をおすすめします。

➡ X-1ソーラーバッテリーPTZカメラ(Wi-Fiモデル)はこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/7481/

➡ X-1ソーラーバッテリーPTZカメラ(4Gモデル)はこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/7575/

IP66——完全防塵+強い直接噴流に対応・屋外設置の推奨規格

防塵: 第1数字「6」→ 完全防塵

防水: 第2数字「6」→ あらゆる方向からの強い直接噴流に対応

IP65と比較して防塵性能は同じですが、防水性能が1段階上がり「強い水流に対応」しています。高圧洗浄機に近い強い噴流にも耐えられるた

め、台風・横殴りの大雨でも信頼性が高くなります。

向いている設置場所: 完全に雨ざらしになる壁面や軒下の保護がない場所。台風・大雨のリスクが高い地域(沖縄・九州・太平洋岸など)。高圧洗浄で定期清掃が行われる工場・食品工場・農場の周囲。駐車場・屋外施設・工事現場など、風雨に常時さらされる屋外環境。

屋外設置の防犯カメラの標準的な推奨規格はIP66です。「長期間・雨ざらしでも安心して使えるカメラ」を選ぶ際はIP66以上を基準にしてください。

NSKダイレクトショップのX-ProシリーズIPカメラ(NX-B502WF-AI・NX-D503Fなど)はIP66対応で、屋外での長期安定稼働に適しています。また、NS-F100C(AHDバレット型)もIP66対応です。

➡ X-ProシリーズIPカメラの選び方・ラインナップはこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/11979/

➡ X-Pro IPカメラシリーズの商品一覧はこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/category/item/x_pro/

➡ AHD防犯カメラ(NS-F100C・IP66対応)の詳細はこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/2562/

IP67——完全防塵+水没(水深1m・30分)にも対応

防塵: 第1数字「6」→ 完全防塵

水: 第2数字「7」→ 水深1mに30分間沈めた状態でも内部への侵入を防ぐ

IP66の「強い水流への対応」を超え、一時的な水没にも耐えられるレベルです。河川沿い・池・ため池のそば・洪水リスクがある低地など、設備が水に浸かる可能性がある場所への設置に対応します。

向いている設置場所: 河川・農業用水路・ため池の近く。台風時に冠水する可能性がある低地の屋外施設。非常に過酷な屋外環境(海岸沿いの塩害地域なども含む)。工場内の洗浄工程がある場所の周辺。

NSKダイレクトショップのX-ProシリーズのバレットカメラはIP67対応のモデルもラインナップしており、太陽光発電所・屋外インフラ施設など過酷な環境への設置に対応しています。

➡ 駐車場・屋外施設向けX-ProシリーズIPカメラの詳細はこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/11988/

設置場所別——推奨IP規格の早見表

設置場所 雨・風の当たり方 推奨IP規格
軒下・庇の下(雨があまり当たらない) 弱い IP65以上
壁面(南・西向き・雨が当たる) 普通〜強い IP66以上
完全雨ざらしの柱・ポール 強い IP66以上
台風常襲地域(沖縄・九州など) 非常に強い IP66以上
河川沿い・農業用ため池周辺 水没リスクあり IP67以上
工場・食品工場(高圧洗浄が行われる) 強い噴流 IP66〜IP67
農地・建設現場(砂埃が多い) 強い IP65〜IP66
屋内(雨が当たらない) なし IP規格問わず(IP20以上)

この表はあくまで目安です。実際の設置環境(建物の形状・方角・地域の気候条件)に応じて、より高いIP規格を選ぶことをおすすめします。「IP規格のひとつ上を選んでおく」という余裕を持った選択が、長期安定稼働につながります。

IP規格だけで判断しない——その他の耐候性も確認する

IP規格は防塵・防水性能の指標ですが、屋外での長期使用には他の耐候性も重要です。

動作温度範囲

防犯カメラは夏の炎天下(表面温度60℃以上になることがある)から冬の氷点下(北海道では-20℃以下になることがある)まで、幅広い温度環境で稼働します。製品仕様の「動作温度範囲」を確認し、設置場所の気候条件に対応していることを確認してください。

一般的な屋外用防犯カメラの動作温度範囲は-20℃〜50℃程度です。NSKダイレクトショップのNS-F100C(AHDカメラ)も-20℃〜50℃の動作温度に対応しています。

紫外線(UV)耐性

長期間、直射日光にさらされると樹脂製の筐体が劣化・変色・ひび割れを起こすことがあります。屋外設置のカメラは紫外線(UV)耐性のある素材・コーティングが施されているモデルを選ぶと安心です。

塩害への耐性

海岸近く・橋梁付近など、塩分を含む潮風にさらされる場所への設置では「塩害対策」が必要です。通常の防犯カメラでは錆や腐食が早まるため、塩害地域への設置を検討している場合はNSKダイレクトショップへご相談ください。

ケーブルの引き込み部分にも注意

IP規格はカメラ本体の防水性能を示すものです。ケーブルの引き込み口・コネクターの接続部分の防水処理が不十分だと、カメラ本体のIP規格が高くても浸水することがあります。屋外配線では「自己融着テープ」や「防水コネクターカバー」でケーブル接続部分を保護することが重要です。

➡ 雨や雪でも使える屋外防犯カメラの注意点はこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/3143/

NSKダイレクトショップ製品のIP規格一覧

NSKダイレクトショップの主要製品のIP規格をまとめます。

X-ProシリーズIPカメラ(NX-B502WF-AI・NX-D503Fなど):IP66〜IP67

完全防塵+強い水流・水没(IP67モデル)に対応。工場・農地・駐車場・屋外施設への本格的な設置に最適です。

X-1ソーラーバッテリーPTZカメラ(Wi-Fiモデル・4Gモデル):IP65

防塵+あらゆる方向からの直接噴流に対応。軒下・庇のある屋外への設置に対応しています。雨ざらしになる場所での長期使用には庇の設置や設置位置の工夫をおすすめします。

NS-F100C(AHDバレット型カメラ):IP66

完全防塵+強い直接噴流に対応。屋外の壁面・軒下・駐車場への設置に適した標準的な屋外用カメラです。-20℃〜50℃の動作温度範囲に対応しています。

まとめ——IP規格の選び方3つのポイント

防犯カメラのIP規格選びで押さえておくべきポイントを3点にまとめます。

① 屋外設置は最低IP65以上・推奨はIP66以上

屋外に設置する防犯カメラは必ずIP規格が「IP65」以上の製品を選んでください。台風・強風・横殴りの大雨が想定される設置場所ではIP66以上が安心です。

② 設置場所の「雨の当たり方」で判断する

軒下・庇の下など雨が直接当たりにくい場所ではIP65で対応できますが、完全に雨ざらしになる壁面・ポールへの設置ではIP66を選んでください。水没リスクのある河川沿い・農地の水路付近ではIP67以上を検討してください。

③ IP規格だけでなく動作温度・ケーブル防水処理も確認する

IP規格はカメラ本体の防塵・防水性能のみを示します。屋外での長期安定稼働には、動作温度範囲・ケーブル接続部分の防水処理・紫外線耐性も合わせて確認することが重要です。

設置場所のIP規格の選び方・屋外防犯カメラの選定についてご不明な点はNSKダイレクトショップへお気軽にお問い合わせください。

➡ 屋外防犯カメラの選び方完全ガイドはこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/12058/

お問い合わせ:https://n-sk.jp/consumer/directshop/contact/

※参考:IEC 60529(JIS C 0920)「外郭による保護等級(IPコード)」

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