
防犯カメラの夜間映像といえば「白黒」というイメージが定着しています。赤外線暗視で撮影した映像は、確かにモノクロになります。
しかし近年、夜間でもカラーで撮影できるカメラが増えてきました。証拠映像として「服の色」「車の色」が残るかどうかは、犯人特定において決定的な差になります。
本記事では赤外線暗視とフルカラー暗視の仕組みの違い・それぞれの得意分野・どう選ぶべきかを解説します。
なぜ赤外線暗視は白黒になるのか
赤外線暗視の仕組み
赤外線暗視カメラは、レンズの周囲に配置された赤外線LEDから赤外線を照射し、被写体に反射して戻ってきた赤外線を捉えて映像化します。
ここで重要なのが、赤外線は人間の目に見えない光であり、色の情報を持たないという点です。カメラは「どこに赤外線がどれだけ反射したか」という明暗の情報だけを受け取るため、必然的に白黒の映像になります。
赤外線暗視の強み
完全な暗闇でも映る: 照明がまったくない場所でも、赤外線LEDの光が届く範囲は撮影できます。これは最大の利点です。
目立たない(非発光型の場合): 人間の目に見えない波長を使うため、撮影していることを気づかれにくくなります。
発光型は威嚇効果もある: 赤外線LEDがうっすら赤く光るタイプは、「カメラが作動している」ことを視覚的に示す効果があります。
赤外線暗視の弱み
色の情報が失われる: 「青い上着の人物」「白い軽自動車」といった情報が記録されません。証拠映像としての情報量が大きく減ります。
照射距離に限界がある: カタログの照射距離(例:20m)は目安であり、距離が遠いほど光が弱まります。
近距離で白飛びする: 被写体がレンズに近すぎると赤外線が強く反射して真っ白になります。
ガラス越しでは使えない: 赤外線がガラスに反射して跳ね返り、映像が白く飛びます。室内から窓の外を撮る用途には向きません。
➡ ナイトビジョンカメラの仕組みと設置のポイントはこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/2781/
夜間にカラーで撮影する3つの方式
夜間にカラー映像を残すには、赤外線とは異なるアプローチが必要です。
方式① 高感度センサー(スターライト・低照度センサー)
イメージセンサーそのものの感度を高め、わずかな光でもカラーで撮影できるようにした方式です。「スターライトカメラ」と呼ばれることもあります。
原理: 月明かり・街灯・室内からの漏れ光といった微弱な光を増幅してカラー映像を生成します。
メリット: 追加の照明が不要で、自然な見た目のカラー映像が得られます。撮影していることが気づかれにくい点も利点です。
限界: 完全な暗闇では撮影できません。あくまで「わずかでも光がある環境」が前提です。街灯のない山間部・窓のない倉庫内などでは機能しません。
方式② 白色LED(補助光・センサーライト)
カメラに白色LEDライトを搭載し、暗くなったら点灯させて可視光で撮影する方式です。
原理: 白色光は色の情報を含むため、通常の昼間と同じようにカラーで撮影できます。
メリット: 完全な暗闇でもカラー撮影が可能です。ライトの点灯そのものが不審者への強力な威嚇になります。夜間の足元を照らす照明としても機能します。
限界: 光るため、カメラの存在が目立ちます。「気づかれずに記録したい」用途には向きません。また常時点灯すると電力消費が大きいため、バッテリー式カメラでは人感センサー連動で必要なときだけ点灯する設計が一般的です。
近隣への配慮も必要です。隣家の寝室に向けて夜間ライトが点灯すると、苦情の原因になります。
方式③ 赤外線と白色LEDの自動切り替え(ハイブリッド)
平常時は赤外線暗視(白黒・目立たない)で監視し、人を検知したら白色LEDを点灯してカラー撮影に切り替える方式です。
メリット: 「普段は目立たず、いざというときはカラーで記録する」という両立ができます。電力消費も抑えられます。
限界: 切り替えのタイミングによっては、決定的瞬間が白黒のままになる可能性があります。
NSKダイレクトショップのソーラーバッテリーカメラは、赤外線暗視モードとホワイトLEDモードを切り替えて使用できます。設置環境に応じて使い分けることが可能です。
どちらを選ぶべきか——用途別の判断
フルカラー暗視が有利な場面
車両の識別が必要な場所: 駐車場・ガレージ・敷地の出入口。車体の色は、ナンバープレートが読めなかった場合の重要な手がかりになります。
人物の特定が重要な場所: 玄関・店舗の出入口。服装の色は目撃情報との照合や警察への説明で大きな意味を持ちます。
商品・物品の識別が必要な場所: 店舗・倉庫。何が持ち出されたかを色で判断できます。
夜間の照明が確保できる場所: 街灯・玄関灯がある環境なら、高感度センサー方式が自然に機能します。
赤外線暗視が有利な場面
完全な暗闇の環境: 照明のない農地・山林・倉庫内。高感度センサーでは映りません。
気づかれたくない場所: 非発光型の赤外線であれば、撮影していることを察知されにくくなります。
光を出したくない場所: 住宅密集地で、夜間にライトが点灯すると近隣の迷惑になる環境。
コストを抑えたい場合: 赤外線暗視は広く普及しており、比較的安価な製品でも搭載されています。
「フルカラー対応」の表記を見るときの注意点
製品仕様に「フルカラーナイトビジョン」と書かれていても、実現方式によって性能はまったく異なります。購入前に以下を確認してください。
どの方式でカラーにしているのか: 高感度センサーなのか、白色LEDなのか、両方なのか。
完全な暗闇で使えるのか: 高感度センサー方式の場合、最低必要照度(0.001Lux など)の数値を確認してください。「0Lux(完全な暗闇)でカラー撮影」を謳う製品は、白色LEDを使用していると考えられます。
LEDの明るさと照射範囲: 白色LED方式の場合、どの範囲までカラーで撮れるかは光の届く範囲に依存します。
切り替えの制御方法: 自動切り替えなのか、手動設定なのか。人感センサー連動なのか。
窓ガラス越しに設置したい場合の考え方
室内から窓の外を撮影したいというご要望は多くいただきます。しかし前述のとおり、赤外線暗視カメラはガラス越しでは使えません。赤外線がガラスに反射して、映像が真っ白になります。
この場合の選択肢は以下です。
① 赤外線をオフにして、別途照明を確保する: 外に街灯や玄関灯があれば、赤外線をオフにしたカメラでも撮影できる場合があります。
② 高感度センサー搭載のカメラを使う: 赤外線を使わずに微弱な光でカラー撮影できるため、ガラスの反射問題が起きません。ただし外に最低限の明るさが必要です。
③ 屋外用カメラを外側に設置する: 根本的な解決策です。工事が可能であればこれが最善です。
賃貸住宅などで屋外設置が難しい場合は、①か②の方式で検討することになります。
まとめ——「色が残るか」は証拠能力を左右する
夜間の防犯カメラ映像において、色の情報が残るかどうかは証拠としての価値を大きく左右します。「黒っぽい服の人物」と「紺色のジャンパーを着た人物」では、警察に提供できる情報量がまったく違います。
完全な暗闇なら赤外線暗視、多少でも光がある環境なら高感度センサー、確実にカラーを残したいなら白色LED——設置場所の明るさと、何を記録したいかで選んでください。
設置環境に応じた機種選定についてはNSKダイレクトショップへお気軽にご相談ください。
➡ センサーライトの防犯効果と選び方はこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/4908/
➡ 防犯カメラの夜間撮影についてはこちら:https://n-sk.jp/consumer/directshop/8438/
お問い合わせ:https://n-sk.jp/consumer/directshop/contact/
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