盆栽・庭木・希少植物の盗難対策に防犯カメラを——盆栽園・園芸店・植物園・ご自宅の庭の備え

盆栽は、一鉢が長い年月をかけて育てられてきた、替えのきかない存在です。2019年1月には、埼玉県の老舗の盆栽業者から、樹齢約400年のものを含む7鉢が夜間に盗まれたと報じられ、被害額は1,300万円ともいわれています。業者は江戸時代から盆栽を受け継ぎ、園内に3,000鉢を所有しており、プロの仕業だった可能性が高いと考えられているという内容でした。盆栽に限らず、庭木や園芸植物、植物園の希少種も、盗難の対象になっています。今回は、盆栽園や園芸店、植物園、そしてご自宅の庭で、防犯カメラをどのように活用できるかを解説いたします。

植物の盗難は「高額」で「見つかりにくい」

植物の盗難には、他の盗難とは異なる難しさがあります。

まず、価値が外見だけでは分かりにくいことです。盆栽は樹種や樹形、育てられた年数によって評価が大きく変わり、一見すると普通の鉢植えに見えるものが、非常に高い価値を持っていることがあります。

次に、盗まれたものが特定しにくいことです。工業製品のようにシリアル番号があるわけではないため、盗まれた後に同じものだと証明するのは簡単ではありません。

さらに、夜間の無人の時間帯に、敷地の外から持ち出されやすいことです。盆栽園や園芸店の売り場は、塀やフェンスだけで囲まれている場合も多く、閉店後は人目がほとんどなくなります。

植物園でも対策が進んでいる

海外メディアは、日本各地の植物園で希少な植物の盗難が相次いでいると報じています。記事によると、京都府立植物園では毎年10件ほどの被害が報告されているということで、温室の出入口に5台のカメラを設置しています。長野県の白馬五竜高山植物園では、今年6月の初めにレブンアツモリソウが3株盗まれ、防犯カメラの設置を予定していると伝えられています。つくば植物園の担当者は「植物園の植物は博物館の収蔵品と同じ」と話しています。

植物園の植物は研究や保全の対象であり、一度失われると取り戻せないものも少なくありません。こうした公共の施設が、防犯カメラを備えの一つとして位置づけていることが分かります。

まず見直したい基本の対策

防犯カメラを検討する前に、基本的な対策を確認しておきましょう。

高価な鉢は、夜間は施錠できる場所に移すのが基本です。展示棚に並べたままにせず、閉店後に屋内の保管場所へ入れられる運用ができれば、被害のリスクを減らせます。

敷地の境界は、外から鉢が見えにくい構造にする、出入口を一か所に絞る、夜間は門扉を施錠するといった工夫が考えられます。

あわせて、所有している鉢の写真を、全体と細部の両方で残しておくことも大切です。樹形や幹の特徴、鉢の種類が分かる写真があれば、万が一被害に遭ったときに、警察へ説明する手がかりになります。盆栽の取引や相談をしている業界の関係者にも、速やかに情報を共有できるようにしておくと安心です。

防犯カメラでできること

敷地や売り場に防犯カメラを設置することで、次のような効果が期待できます。

まず、設置が見える状態になっていることで、下見や侵入をためらわせる抑止効果が期待できます。作動中であることを示すステッカーや看板を併せて掲示しておくと、より効果的です。

次に、夜間や早朝の無人の時間帯に、敷地へ近づく人や車両を記録しておけます。鉢の持ち出しには車が使われることが多いと考えられるため、敷地の入口を通る車両の記録は、被害が起きたときの手がかりになります。

➡ 防犯カメラを「リアルタイムで見るべき理由」とは?録画だけでは守れない現場のリスク

さらに、被害に遭ってしまった場合に、映像が警察への届出の際の手がかりになります。

➡ IPカメラの録画映像を証拠として活用する方法——X-ProシリーズIPカメラで証拠能力を高める設定と保全手順

ただし、防犯カメラは鉢の持ち出しを物理的に止めるものではありません。施錠や保管場所の見直しといった基本対策とあわせて使うことが前提です。

設置しておきたい場所

盆栽園や園芸店、庭で、優先的にカメラを設置したい場所をご紹介します。

まず、敷地の入口と、そこに続く通路です。出入りする人物と車両の様子を記録できる位置に設置します。車両のナンバーを記録したい場合は、車両が減速する場所で、正面から映せる位置を選ぶと効果的です。

次に、高価な鉢を並べている棚や展示スペースです。鉢が並んでいる範囲全体を見渡せる位置に設置し、死角を作らないことが大切です。

また、鉢を一時的に置いておく作業場や、トラックに積み込むための搬入口も見守っておきたい場所です。

➡ 防犯カメラは死角をなくすことで最大の効果を発揮する

夜間の対策としては、センサーライトとの併用もおすすめです。人が近づくと点灯するライトは、侵入者にとって「見られている」という心理的な圧力になります。

➡ センサーライト・照明で防犯効果を高めるー設置場所・選び方を徹底解説

電源・回線の有無で選ぶ機種

盆栽園や園芸店の敷地は、事務所や母屋の近くに電源やWi-Fi環境がある一方で、奥まった栽培場や、少し離れた畑に電源も回線もない、というケースが少なくありません。

事務所の近くなど、電源やWi-Fi環境が使える場所には、モニター付きのワイヤレスカメラセットが手軽に導入できます。

➡ モニター付きワイヤレス防犯カメラの設置場所別活用ガイド——玄関・駐車場・農地・倉庫・店舗まで徹底解説

複数台のカメラをまとめて管理したい規模の敷地には、AIによる人物・車両の検知に対応したIPカメラが向いています。

➡ X-Proシリーズ IPカメラの選び方

一方、電源も回線もない奥まった栽培場や圃場には、ソーラーパネルで稼働し、SIM通信で映像を確認できるカメラが適しています。X-2 LTE(NS-X200SR)は、20Wのソーラーパネルを搭載し、1日20回程度の検知で約90日間稼働します。ナノSIMを使ったLTE通信に対応しているため、ケーブル工事なしで、携帯電話の電波が届く場所に設置できます。PTZ機能で広い範囲を見渡せるため、栽培棚の全体を1台で確認したいときにも向いています。

➡ X-2エックスツーLTE(NS-X200SR)の商品詳細

➡ X-1ソーラーバッテリーPTZカメラ_4Gモデル_ホワイト

固定回線がない場所での遠隔監視の考え方については、こちらも参考にしてください。

➡ インターネット回線がない場所での遠隔監視

ご自宅の庭木・鉢植えを守るために

盆栽園や園芸店だけでなく、ご自宅の庭で大切に育てている盆栽や庭木、鉢植えの蘭などを守りたいという方もいらっしゃいます。庭は外から見える位置にあることが多いため、玄関や門扉だけでなく、庭の全体が映る位置にカメラを設置しておくと安心です。

家の外壁や軒下にカメラを設置する場合は、隣家の敷地や、道路を歩く人が過度に映り込まないよう、向きや撮影範囲に配慮してください。

➡ 防犯カメラの設置基準を確認してプライバシーの侵害も注意

通知の設定で、見たいときに見られる状態に

風で木の枝が揺れるたびにカメラが反応してしまうと、通知が頻繁に届いてしまいます。検知する範囲や感度、通知を受け取る時間帯を調整して、必要なときだけ確認できるように設定しておくことが大切です。

➡ 防犯カメラの通知方法について、検知やスケジュールの設定など

被害に気づいたら

被害に気づいた場合は、現場の状況をできるだけそのままにして、すぐに警察へ連絡してください。防犯カメラの映像は、上書きされないよう、すぐに保存しておきましょう。

➡ 警察から防犯カメラの映像を見せてほしいと言われたら——正しい受け答えと注意点を徹底解説

まとめ

盆栽や希少な植物は、価値が高く、外見だけでは判断しにくく、夜間に持ち出されやすいという特徴があります。夜間の保管場所の見直しや、鉢の写真の記録といった基本対策を土台に、敷地の入口や展示スペースにカメラを設置することで、抑止と早期発見の両面を強化できます。電源や回線のない栽培場には、ソーラー式のLTEカメラを選ぶことで、工事なしで見守り体制を整えられます。

設置場所や機種選びについてお悩みの際は、お気軽にNSKダイレクトショップまでお問い合わせください。

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