「かごパク」「カート持ち去り」に悩むスーパー・小売店の防犯カメラ活用ガイド

スーパーやドラッグストアの買い物かごを、お店の外へ持ち帰ってしまう「かごパク」が、小売店の悩みのひとつになっています。レジ袋の有料化が始まったころには、都内のスーパーの社長が「レジ袋有料化の前と比べて10倍の被害が出ている」と語ったことが報じられました。理由としては、エコバッグを持っていない、または品物が入りきらないのにレジ袋は買いたくない、といった利用者側の事情があるとされています。今回は、買い物かごやショッピングカートの持ち去りに悩む店舗向けに、防犯カメラをどう活用できるかを解説いたします。

かごパクは、れっきとした窃盗にあたる

買い物かごは店舗の備品であり、お店の許可なく持ち出せば、窃盗罪にあたると解説されています。持ち去る側は「少し借りるだけ」「返すつもりだった」と考えていることもありますが、店舗にとっては、備品が戻らず、補充の費用と手間が発生するという現実の被害です。

弁護士が解説する記事では、かごパクの被害を受けて警察が声かけをしたケースが72件あったと紹介されており、かご1個あたりの価格は約300円とされています。1個ずつは小さな金額でも、積み重なれば、店舗の負担は決して小さくありません。

ただし、持ち去った方を店の外で呼び止めるような対応は、トラブルに発展する恐れがあります。感情的に責めるのではなく、事実を記録し、店としてのルールに沿って冷静に対応することが大切です。

店舗がまず取り組める基本の対策

防犯カメラを検討する前に、運用面でできることがあります。

実際に、都内のスーパーでは、精算が済んだかごと、そうでないかごが一目で分かるように、かごの色を変えたり、取っ手を外したりする工夫を導入したと報じられています。かごの形や色を変えることで、持ち去りを目立たせ、お客様や従業員の目が届きやすくなる効果が期待できます。

そのほか、一般的な対策として、次のような方法が考えられます。レジ袋の購入やエコバッグの販売をわかりやすく案内し、「袋がないから、かごごと持ち帰ろう」という状況を減らすこと。店内や出入口に、かごの持ち出しは窃盗にあたる旨と、防犯カメラが作動していることを掲示すること。かごの返却場所を分かりやすくすること。いずれも、店舗の規模や客層に合わせて取り入れてください。

防犯カメラでできること

出入口や駐車場に防犯カメラを設置することで、次のような効果が期待できます。

まず、かごが店の外へ持ち出される様子を、映像として記録できます。「持っていく人の映像が残る」と知られるだけでも、軽い気持ちでの持ち去りをためらわせる抑止効果が期待できます。作動中の表示とあわせて掲示しておくと、より効果的です。

次に、どの時間帯に、どの出入口で持ち去りが多いのかを、映像から把握できます。傾向がつかめれば、従業員の配置や、声かけのタイミング、かごの置き場所の見直しといった、具体的な対策につなげられます。

➡ 無人店舗・セルフレジに防犯カメラは必須—万引き・いたずら・居座りを防ぐ具体的な対策ガイド

さらに、かごやカートの持ち去りだけでなく、万引きや駐車場でのトラブルなど、店舗で起こりうる他の問題の状況確認にも役立ちます。

ただし、防犯カメラは持ち去りそのものを物理的に止めるものではありません。映像は、事実を落ち着いて確認するための材料として使い、対応は店舗の方針に沿って慎重に行ってください。

設置しておきたい場所

買い物かごやカートの持ち去り対策として、優先的にカメラを設置したい場所をご紹介します。

まず、店舗の出入口です。かごを持ったまま出て行く人の様子を、顔や持ち物が分かる距離で記録できる位置に設置します。

次に、駐車場や駐輪場です。かごが車や自転車の近くに置かれたままになっている場合の状況確認に役立ちます。カートの持ち去りが多い店舗では、カート置き場の周辺も見守っておきたい場所です。

また、店内で死角になりやすい通路や、かごの置き場も、設置を検討したい場所です。

➡ 防犯カメラは死角をなくすことで最大の効果を発揮する

店舗の規模に合わせた機種選び

小規模な個人商店や、少人数で運営している店舗では、設置の手軽さが重要です。モニター付きのワイヤレスカメラセットであれば、レジのそばで映像を確認でき、導入しやすい選択肢になります。

➡ モニター付きワイヤレス防犯カメラの設置場所別活用ガイド——玄関・駐車場・農地・倉庫・店舗まで徹底解説

複数の出入口や広い駐車場を見守りたい、中規模以上の店舗には、AIによる人物・車両の検知に対応したIPカメラが向いています。LANケーブルで電源と通信をまとめて引ける有線タイプであれば、安定した録画が期待できます。

➡ 駐車場・屋外施設の防犯カメラにX-ProシリーズIPカメラをおすすめする理由|AI検知でセキュリティを強化

➡ X-Proシリーズ IPカメラの選び方

撮影と掲示のルールを決めておく

店舗にカメラを設置する際は、作動中であることと、撮影の目的を、お客様から見える場所に掲示しておくことが大切です。映像は、防犯や事実確認の目的に限って使用し、保存期間や、映像を確認できる担当者もあらかじめ決めておきましょう。

➡ 防犯カメラの設置基準を確認してプライバシーの侵害も注意

また、警察から映像の提供を求められた場合の対応についても、事前に確認しておくと、落ち着いて対応できます。

➡ 警察から防犯カメラの映像を見せてほしいと言われたら——正しい受け答えと注意点を徹底解説

現場での声かけは慎重に

持ち去りの場面に気づいたとしても、従業員が一人で追いかけたり、強い口調で問い詰めたりすることは避けたいところです。事前に、気づいたときの対応の流れを決めておきましょう。たとえば、映像で確認したうえで、次回来店時に店長や責任者が穏やかに声をかける、悪質な場合や繰り返される場合は警察に相談する、といった形です。報道された都内のスーパーでは、報道をきっかけに、謝罪してかごを返却する人も出たと伝えられています。まずは、返却しやすい雰囲気づくりも大切です。

まとめ

かごパクやカートの持ち去りは、1個あたりの金額は小さくても、積み重なれば店舗の負担になる問題です。かごの色や形の工夫、掲示、返却しやすい環境づくりといった基本対策を土台に、出入口や駐車場に防犯カメラを設置することで、抑止と状況の把握の両面から対策を進められます。映像の取り扱いや現場での対応のルールをあらかじめ決めておくことで、落ち着いて運用できます。

設置場所や機種選びについてお悩みの際は、お気軽にNSKダイレクトショップまでお問い合わせください。

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