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ぶっちゃけ防犯カメラって効果あるの?【後編】

2021年04月04日

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さて、前回の記事で防犯カメラは効果があるのかについて、お話させていただきました。その結論としては、「防犯カメラは犯罪抑止効果がある」ということでした。
今回は、繫華街での防犯カメラの設置はどうなのかについて、見ていきたいと思います。データ等の詳細は、以前でも取り扱いさせていただいた、「繁華街に設置された街頭防犯カメラの効果検証 」【代表研究者 雨宮 護(筑波大学システム情報系 准教授)をご覧ください。
さて、そちらの考察によると、
①防犯カメラの設置目的の違う両地区で、防犯カメラの設置位置の違いが見られること
②従前の犯罪の地理的分布に一致した位置に防犯カメラが設置された博多・中洲 地区でのみ、窃盗犯系の罪種において効果がみられたこと
③その一方で、粗暴犯に対し ては効果がみられなかたこと
④博多・中洲地区の窃盗犯系の罪種について、地理的転移 はあったとしてもわずかであり、むしろ罪種によっては利益の拡散がみられたこと
としている。
この中で、見ていただきたいのは②・③である。「博多・中州地区でのみ、窃盗犯系の罪に効果があったことであり、その一方で粗暴犯については効果が見られなかった」という結果である。つまりは、防犯カメラは犯罪抑止効果があるのだが、その効果が全てに適応されるものではないということです。そして、 日本における自治体設置の大規模防犯カメラ設置事業では、配置の根拠として、「市民の求めや、警察の捜査目的」が優先されることも多いが、防犯カメラに犯罪抑止効果を望むのであれば、従前の犯罪の地理的分析が必要だと考えられる。分析に基づかない防犯カメラの設置は、過剰な設置につながる。と指摘しております。今でこそ、そこまで言われなくはなりましたが、やはり映像を撮っている以上、防犯カメラの過剰な設置は、プライバシー侵害の懸念を高めることにつながりかねません。そのため、自治体設置防犯カメラについえは、設置した後の効果について、しっかりと検討されていく必要があるように思います。ただ、窃盗犯系に罪については、効果があることが分かっておりますので、空き巣対策や、事務所の資産を守るために防犯カメラを設置することは、非常に有効ですので、その考えの方は検討すべきことかもしれませんね。