農業では、収穫時期が近づくと農作物の盗難が相次いでしまうため、AIを搭載した防犯カメラによる犯罪抑止の効果に期待が高まっています。
AI搭載防犯カメラでは、AIの高精度な検知機能により、不審者や不法侵入者を検出し、即座に通知や警告音で威嚇させることができます。
今回は、農業における農作物の窃盗を防ぐ対策としてAI搭載防犯カメラがどのように活躍するのかを詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧になり参考にしてください。
目次
農業において発生している犯罪について
農業に関する犯罪には大きく分けて、「農作物の盗難」と「農機具・設備の盗難」の2点があげられます。
農作物の盗難
農家さんは丹精込めて育てた農作物が収穫間近になると収穫が待ち遠しくなると共に、盗難被害が起きないか心配になるため、常に悩みの種となっています。
近年では、果物農家における盗難被害が深刻化しており、特にシャインマスカットやブドウ、メロンなどの高級果物や市場価値の高い作物が狙われやすく、農家にとっては大きな経済的損失を招くこともあるため、火急の課題となっています。
また、盗難被害は一度の収穫分にとどまらず、作物の育成過程や品質にも悪影響を与える場合があるため、農家にとって深刻な課題となっています。
シャインマスカットや高級メロンなどの高価格な農作物は、市場での需要が年々高まっていることもあり、その価値の高さから盗難の標的となりやすくなっています。
農機具・設備機械の盗難
農家の盗難被害は、農作物だけでなく農機具や設備機械なども対象となっています。
農機具は農業生産の効率化に欠かせないものであり、特にトラクターやコンバインといった大型機械は、数百万から数千万円するほど高価なため、「農機具・設備機械の損失額」と「作業効率低下による損害」のダブルパンチとなってしまい経済的打撃は非常に大きくなってしまいます。
農機具や設備機械が盗難されるなんて思わない農家の方も少なくありませんが、外国では日本製の農機具や設備機械が安全性と機能性などの高さから中古市場でも高値で取引されているようです。
そのため、外国人窃盗団がトラクターやコンバインを盗難し、それを解体して海外へ売りさばくケースが多発しているようです。
とくに古い農機具は、合鍵の製造などが比較的容易く、盗難しやすいため盗難のターゲットとなりやすいことが多いと言われています。
農作物の盗難状況・解決状況について
農作物の盗難状況や解決状況について解説します。
農作物が盗難に遭いやすい場所やタイミング
農林水産省の調べによると、農作物の盗難が一番多い場所は、田んぼや畑で、次いで盗難が多い場所は、ビニールハウスや作業場が多いようです。
また、倉庫や保管庫などは、一時的に農作物を置いておくだけだから大丈夫といった考えでいると、犯罪者の思惑通りに、盗難に遭ってしまいます。
農作物の仮置き場にも、きちんと防犯対策を施すことが大切です。
見通しの悪い農地の一部
農作物の盗難は、一般的に農家が目の届かない範囲で発生しやすく、特に見通しの悪い場所はターゲットにされやすいです。
例えば、山間部や林に囲まれた場所は自然の障害物が視界を遮り、盗難の現場が外部から見えにくくなります。
こうしたエリアでは犯行が発覚しにくいため、窃盗犯にとっては理想的な環境です。
また、広大な果樹園や畑では、農地の周囲すべてを定期的に見回ることが難しく、農地の端や奥まった場所が盗まれることが多いです。
農道や公道に隣接する場所
農地が公道や農道に隣接している場合、車両を使用して迅速に盗みを行う犯行が発生するリスクが高まります。
農作物を収穫するタイミングを見計らって、犯人がトラックやバンを農地のすぐ横に止め、大量の作物を短時間で盗み出すことが可能です。
これにより、数時間のうちに大規模な被害が発生することも少なくありません。
さらに、これらの場所は常に通行があるため、不審な車両や人の出入りが発見されにくく、監視の目が届かないことが多いです。
人目につきにくい夜間の農地
農地での作業は基本的に昼間が多く、夜間も照明設備が整備されていないことが多いため、暗闇に乗じて犯行が行われてしまいます。
そのため、防犯カメラや警備体制が十分でない場所では、犯人は盗むまでの時間的余裕があるため、大量の作物が被害に遭うことが少なくありません。
また、夜間は音や動きに敏感に反応しにくいため、作物が盗まれても気づくことが遅くなってしまうため、かなりの損失になりかねません。
無防備な保管エリアや倉庫
収穫した作物を保管するエリアや倉庫も、農作物の盗難が発生しやすい場所です。
これらの場所は通常、作業を効率的に進めるためにアクセスがしやすいよう設計されていますが、その分、盗難のリスクも高くなります。
特に施錠が不十分な倉庫や、夜間に人の出入りが少ない保管エリアは、盗難犯にとって格好のターゲットとなり得ます。
農作物の盗難事件を解決することは難しい
農林水産省の「農作物の盗難の実態と対応策」という調査によれば、農作物の盗難事件が解決したケースは、盗難事件全体の11%に過ぎず、発生した盗難犯罪の40%程度が犯人が発見されず、未解決となっている状況のようです。
なかでも、シャインマスカットやメロンなどの高価な高級フルーツの盗難被害が多くありその被害額も低くはありません。
農家の方からすれば、被害額も致命傷ですが、それ以上に丹精に育ててきた農作物が盗難に遭い、喪失感も大きいことは否定できないでしょう。
また、被害が限りなく少ない場合では、農家の方も気づかず、知らないうちに農作物の盗難被害に遭っているケースも多いといわれているようです。
実際に盗難に遭っている農作物
農林水産省によると盗難に遭いやすい農作物は、1位もも、2位ぶどう、3位キャベツ、4位白菜、5位りんご、6位さくらんぼ、7位いちご、8位ミニトマト、9位スイートコーン、10位梨といわれています。
1位のももや2位のぶどうは、高額な品種も多く、盗難も比較的容易いことから、盗難の対象となりやすいことが、盗難されやすい農作物となっている理由として考えられます。
農作物の盗難に関する対策
では、農作物の盗難に対して、実際にできる対応策について解説します。
AI搭載防犯・監視カメラの設置
第一の農作物の盗難対策として挙げられるのは、AI搭載防犯・監視カメラを設置することです。
AIが搭載されていることで、動体検知や侵入検知など、農場においてかなり有効的な機能を有しています。
また、検知機能により連携されたデバイスへ即座に通知が届き、リアルタイムの映像を把握することや、警告音や録音音声データを流すことで、不審者や窃盗犯へ威嚇して追い払うことなどに期待もできます。
センサーライトやベルサイレンの設置
次に農作物の盗難対策として挙げられることに、センサーライトやベルサイレンを設置することも挙げられます。
ベルサイレンとは、何か緊急のことが発生した時に、警報を鳴らすシステムの総称で、不審人物が農作物の盗難をしようとした時に、警報をならすことで、犯罪の発生を抑制する効果が見込まれます。
またセンサーライトは、モーションセンサーにより人が通ったことを熱源センサーが反応し、光を当てるもので、不審者や窃盗犯の姿をあぶり出し、「見られる」「バレて捕まる」などの心理的プレッシャーを与えることができます。
センサーライトやベルサイレンは、威嚇・心理的圧力効果により、盗難者の犯罪を思いとどまらせる効果に期待できます。
侵入防止のフェンスや柵など設置
次に農作物の盗難防止対策として挙げられることに、侵入防止のフェンスや柵を設置することがあります。
畑やビニールハウスの周囲にフェンスや柵を設けることで、物理的に農作物の盗難を抑止する効果が期待できます。
フェンスや柵の種類によっては、乗り越えようとすると、電流が流れる物もあり、農作物を盗難しようとする者に対して有効な効果が期待できます。
パトロールの強化や不定期な見回り
パトロールの強化や不定期な見回りも、農作物の盗難対策として有効と考えられています。
農林水産省の調査によれば、パトロールや見回り中に、盗難者を発見し、逮捕できた事例もあがっています。
また、パトロールや不定期な見回りを実施した結果、不審者を発見し、未然に犯罪を抑制できたこともあるようです。
AI搭載防犯カメラを設置するメリット
様々な防犯対策があるなか、AI搭載防犯カメラを設置するメリットについて解説します。
異常行動の高精度検知
AI搭載防犯カメラは、リアルタイムで映像を解析し、異常行動や不審者の動きを自動的に検知することができます。
しかも、動物や風による誤検知を減らし、人間や車両の動きのみを正確に判別することで、不要なアラームを減らし、効率的な監視が可能になります。
そのため、不審者の早期発見が可能になり、農業機械や作物の盗難を防ぐための迅速な対応が取れるようになります。
24時間自動監視とリアルタイム通知
AI搭載防犯カメラは、24時間自動で農地を監視し、異常があった際にはリアルタイムで通知を発信します。
作業時間外や夜間でもスマートフォンやパソコンへのアラート通知により、遠隔地にいても農地の状況を即座に把握し迅速に対応できます。
農作業に支障を与えない自動化された監視
AI搭載防犯カメラは、常時録画するのではなく、精度の高い動体検知技術によって、異常が発生したときにのみ録画を開始する機能を有しています。
無駄な映像を記録せず、データの管理が簡便化されると同時に、バッテリー消費や保存容量を節約できます。
そのため、ソーラー式防犯カメラなどの限られた電源によるモデルの場合でも効率的かつしっかりと防犯対策となり得ます。
被害後の映像証拠としての活用
AI搭載防犯カメラは、農地内での盗難や不審な行動があった際、映像を記録し、それを証拠として活用することができます。
トラブルが発生した場合、農業機械の破損や作物の盗難があった際に、映像を確認することで、警察や保険会社への報告に有効な証拠を提供することができます。
特にAIによる解析機能は、ナンバープレートや人物の顔などを鮮明に記録できるため、トラブル解決に非常に役立ちます。
また、映像による犯人の動向を確認して犯行手口を学習し、今後の防犯対策にも活用することができます。
労力削減と防犯コストの最適化
AI搭載防犯カメラは、人力による監視の代わりに、自動化された監視システムとして機能します。
そのため、常に誰かが農地を見守っている必要がなくなり、監視のための労力やコストが削減されます。
また、異常が発生したときにのみ対応するため、警備会社への定期費用も節約することができるようになります。
農地全体を効率よくカバーできるため、複数のカメラを導入してもコストパフォーマンスが高く、長期的な防犯対策においても有利となり得ます。
環境の変化にも対応する柔軟性
AI搭載防犯カメラは、環境の変化にも対応可能です。
例えば、昼夜の違いや天候の変化(雨、霧など)にも柔軟に対応し、常に最適な映像を提供します。
また、AIはデータを学習し続けるため、周囲の状況に応じて監視精度が向上し、より正確な異常検知が可能になります。
まとめ
農作物の盗難が多発し、農家にとって死活問題になっています。
しかも、盗難事件の半数以上が捕まっていない・未解決という事件も多いため、社会問題の一つとなっています。
窃盗被害を防ぐためにもセキュリティレベルの高い防犯対策を施すことが課題とされていますが、まずは何から始めてよいかわからない・難しいと感じる方も多くいます。
もし、防犯カメラの選び方やAI搭載防犯カメラについて不安に感じている方、詳しい情報が知りたいという方は、お電話もしくはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。
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