住宅街ではちょっとしたイタズラによる放火や不審火が、後に大きな事故につながる可能性が高くあります。
自宅の防犯対策や町会・町内会による地域の防犯対策が必要となりますが、近隣の見回りは24時間行えるわけではなく、人力のみでは不十分になりやすいため、AI搭載防犯カメラを活用する方法が有効的といえます。
今回は、放火や不審火の予防法やAI搭載防犯カメラとは何か、活用のメリットとデメリットも詳しく解説します。
目次
放火や不審火を起こす犯人の特徴
放火や不審火を起こす犯人には、いくつかの共通点があり、心理的な共通点と、行動の共通点について紹介していきます。
放火や不審火を起こす心理
放火や不審火を起こす人間の心理について解説していきます。
ストレスやフラストレーションの解消
多くの放火犯に共通する心理状態として仕事や人間関係、家庭環境など日常生活で感じるストレスやフラストレーションがうまく発散できない状態が続いてしまい、解消方法として衝動的かつ攻撃的な行動として火を放つ行為を行います。
人間に危害を加えるほどの勇気はないが、ちょっとしたものに火をつけることで、自分が抱える不満や怒りを外部に放出し、一時的な解放感を得ようとする心理が働きます。
支配欲や権力感
放火は、破壊行為を通じて「自分の力」を感じる手段でもあり、自分の人生がコントロールできていない・社会的に抑圧されているなどを感じている人が、火をつけることで自分が何かを「支配している」と征服感や優越感を感じるそうです。
火は破壊力が強く、迅速に状況を変えるため、放火犯はその瞬間に自分が大きな力を持っていると錯覚してしまい、火を放つ行為が「自分は影響力を持っている」という感覚に陥ってしまうため、やめられなくなってしまうようです。
注意を引きたい、認められたい欲求
放火や不審火を引き起こす者の中には、自分が周囲から無視されている、存在感がないと感じている人が、極端な行動を通じて他人に自分の存在を認識させようとする強い欲求が根底にあるそうです。
放火によって人々が驚き、注目を集めることにより、彼らは自分が「重要な存在」であると感じるそうです。
復讐や敵意の表出
放火は、対人への復讐よりも間接的に相手を苦しめることに繋がるため、復讐や敵意を表す手段の一つです。
例えば、隣人とのトラブルや職場での対立、家族間の争いが原因で相手を傷つけるためにその所有物に火を放つケースが典型的です。
快楽やスリルの追求
火をつける行為そのものが、スリルを求める一部の人にとっては興奮や満足感を与えてしまっています。
火災が引き起こす緊張感や混乱を楽しむ傾向があり、火が広がっていく様子を見ながら人々が慌てふためく様子を陰から観察して満足感を得る愉快犯です。
放火犯の行動の共通点
放火や不審火の多い時間帯
最新の消防庁のデータによると、夜間だけでなく日中でも放火が多く、なかでも朝8時から10時の時間帯に放火による火災が最も多く発生しており、続いて午後や夕方にかけての時間帯でも一定割合で発生しています。
日中に無人となりやすい建物や場所が狙われやすいことが影響していると考えられるため、町内会や商業施設の周囲など、無人となりがちな時間帯を狙うケースが多いといわれています。
放火や不審火の多い場所
放火犯が選ぶ場所にはいくつかの共通点があり、ターゲットとなる場所は人目に付きにくく、かつ火がつきやすい環境が整っていることが多いです。
・ゴミ捨て場やごみ箱:放火犯が最もよく選ぶターゲットの一つがゴミ捨て場やゴミ箱です。紙やプラスチックといった可燃物が集まっており、火がすぐに広がりやすい特徴があります。
・空き家や廃屋などの無人建物:空き家や廃屋は、無人であるため犯行が発覚しにくく、火が広がっても他人に危害を加えるリスクが少ないと考えています。しかも、空き家や廃屋などの無人建物は「必要ないから火をつけても問題ない」という間違った自己解釈からターゲットにされてしまうそうです。
・駐車場や車両:放火犯は、公共の駐車場や路上に停められた車両をターゲットにすることも多くあります。特に、公共の駐車場や路上にある車両は所有者も不特定多数であるため、ランダムで選び遊び感覚のイタズラとして犯行に及ぶ傾向にあります。また、道路に隣接しているため通りすがりの犯行も可能であるため犯人が特定されにくいこともターゲットとして狙われてしまいます。
・公園や空き地:公園や空き地は、特に夜間になると人通りがほとんどなくなり、無人となることも多く、草木やベンチなどの木製の構造物が燃えやすく、火がつきやすい環境が整っているため、放火犯にとって犯行を行いやすい場所となってしまいます。
放火や不審火を防ぐ方法
放火や不審火は、町内会や自治体による協力により防ぐことができるようになります。
では、地域住民や町内会・自治体ができる放火・不審火対策の方法について紹介していきます。
燃えやすい物を外に置かない
自宅周辺は定期的に片づけをして、火をつけやすいゴミやダンボールを放置しないことが大切です。
草木を刈り取り、燃えやすいごみや雑草を撤去したり、可燃性のゴミは朝に出すなど適切な時間帯に出すことが望ましいです。
また、自動車やバイクのカバーには難燃性のものを使用したり、万が一放火や不審火の被害に遭っても燃えにくく、延焼を防ぐ効果が期待できます。
住民の協力とコミュニケーション
近隣住民におけるコミュニケーションは、トラブルの回避や防犯対策としても重要となります。
防犯意識の高い地域では、近隣住民同士でコミュニケーションがとれていたり、町内会でのルールや防犯・防災などの教育や趣味レーションをしっかり想定してあらかじめ対処方法を心得ています。
自宅での防火対策として、各家庭には消火器、バケツを置くことや、住宅用火災警報器の設置、センサーライトの設置などが推奨されています。
また、物置やガレージには必ず施錠をして、外から簡単に入れないようにすることで盗難と放火の防犯対策となります。
空き家の管理をする
空き家は放火や不審火の発生場所となりやすいため、十分に注意しましょう。
空き家の放火や不審火の原因になる理由は、空き家は人が住んでいないため侵入しやすいこと、人が近づかないため発覚する可能性が低いことなどです。
長期間管理されていない場合、草木の手入れがされていなかったり、燃えやすいゴミや枯葉なども放置されているため、人気もなく管理も粗雑であるため、無法地帯となりやすいです。
監視カメラ・防犯カメラを設置する
監視カメラや防犯カメラの設置は、放火や不審火を防ぐための効果的な手段の一つです。
監視・防犯カメラを設置することで、カメラの存在により犯行を思いとどまらせたり、万が一に放火が発生した場合でも映像証拠として利用できます。
また、防犯カメラでもAIが搭載されたカメラは、異常な動きを検知しリアルタイムで通知したり警報音を鳴らす機能を有するモデルもあるため、迅速な対応や放火犯を追い払うことにもつながります。
放火・不審火の即時検知を可能にするAI機能
住宅のなかには木造の建物もあるため、防災対策を強化しても、火災を早期に発見・消火しなければ被害を防ぐことは困難です。
そこで、放火につながる不審な行動の検知機能があるAI搭載防犯カメラを活用するのがおすすめです。
道路や住宅街、人のいない場所で起こった火災を早期に発見・通報するAI機能は、小さな火や煙を検知します。
AI技術を利用することで、火災や煙の方向、火災発生場所を素早く把握し、被害を最小限に止めることにつながるでしょう。
検知機能があるAI搭載防犯カメラのメリット
AI搭載防犯カメラを設置することで、放火や不審火だけでなく、様々な犯罪を未然に防ぐ効果に期待ができます。
では、AI搭載の防犯カメラを導入するとどのようなメリットがあるのかを紹介します。
リアルタイムで異常検知と通知
AI搭載防犯カメラは、映像内の動きをリアルタイムで分析し、通常と異なる動きを自動的で検知し、即座に通知もしくは警告音を発します。
例えば、不審者が周囲をうろついていたり、熱検知により放火の兆候があったりする場合、カメラがその異常な動きを捉え、すぐに管理者へ通知を送ることができます。
また、通知を受け取ったらリアルタイムの映像を確認することができ、現状を把握し迅速かつ適切な対処を行うことができます。
AIによる動体検知の精度向上
従来の防犯カメラにもモーションセンサーによる録画開始機能が備わったモデルがありますが、しばしば誤検知による誤作動が起きてしまうことがあります。
例えば、動物や風による動きが不審な動作として認識されることも多くありました。
しかし、AI搭載カメラはより精度が高く、動物や無害な動きと、人や車両などの脅威となり得るものをしっかりと識別することができるため、誤検知や誤識別を極限まで減らすことができるようになりました。
炎や煙の早期検知
AI搭載の防犯カメラは、炎や煙の発生を検知する機能も持ち、火災の早期発見に非常に効果的です。
可視光線映像とサーマルカメラにより、周囲の環境温度とターゲットの熱を比較し、疑わしい熱源を検出する熱源・火災検知機能です。
・温度測定:±2℃の高精度温度測定を備えており、物体の表面温度を測定し 設定した閾値を超えるとアラームをトリガーします。また、設定した各エリアの「平均温度・最低温度・最高温度」を リアルタイムに測定し監視することができます。
・火災検知:異常な温度変化が検出されると火災アラームがトリガーされ、 早期発見することで火災リスクを低減します。
・喫煙検知:人の喫煙行動とタバコの温度から喫煙行為を検知し「音と光」で警告します。火災の原因の一つである無秩序な喫煙行為を抑止する検知機能です。
特に放火による火災は初期段階での発見が重要であり、早期に火を発見することで被害を最小限に抑えることが可能です。
AI防犯カメラ設置後の効果的な運用方法
AI搭載防犯カメラには様々なメリットがありますが、より効果的に運用するにはどのようなポイントを押さえておくとよいのか、AI防犯カメラ設置後の注意点と効果的な運用方法を紹介します。
誤検知・誤検知に備える
AI搭載防犯カメラは人間よりも正確なデータの分析、対応ができますが、高精度であっても決して100%正確というわけではなく、極めて稀に誤検知や誤検知が発生する可能性があります。
例えば、町内会の放火や不審火を防ぐためにAI搭載防犯カメラを設置して不審者を検知したり、担当者に通知するといった目的で使用する場合でも誤検知による通知が届くこともあります。
ただし、AI搭載防犯カメラでは、検知機能による通知が届いた場合でもリアルタイムの状況を把握することや、実際にどこに熱源が検出されたのかリアルタイムの映像で温度計測とともに確認することができるため、迅速かつ適切に対処することが可能となります。
予算内で設置できるかどうかを検討
これは従来に防犯カメラにも該当しますが、防犯カメラの導入にかかるカメラの本体・レコーダー・設置費用などの初期費用、運用時における月々の電気代やネットワーク使用料、クラウドストレージなどの運用費、さらに定期的なメンテナンスや修理などの定期的なコストが考えられます。
AI搭載防犯カメラは、高精度な検知機能を有しているため、初期費用が高額になりがちで、カメラ本体の設置台数が増えれば増えるほど初期費用が高額になってしまいます。
そのため、さまざまなコストを考えてしまい予算を組んだ際に、予算が足りず設置を躊躇したり断念してしまう町会も少なくありません。
しかし、町内会・自治会では補助金対象となりやすいため、適用される地域の各自治体HPにてしっかりと情報を確認し補助金を活用しましょう。
まとめ
放火や不審火を防ぐために重要なことは、犯人に狙われない環境を整えることが重要です。
地域住民の一人一人が防犯意識を高めることにより、事故や事件が起きにくい地域に整えることができるようになります。
また、各住宅でも、火災報知機の設置と点検を促し、万が一火災が起こった際にも命を守れるように備える必要があります。
そして、AI搭載防犯カメラで町内会全体を見守り、放火や不審火の発生を素早く発見するほか、犯人逮捕や犯罪の抑止につなげることも非常に重要となるため、各家庭もしくは地域の町内会・自治会にてAI搭載防犯カメラを住まいの地域に導入を検討しましょう。
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