農業において、ビニールハウスは外部気象環境の影響を抑えて内部環境の変化を穏やかにすることができるため、農作物に最適な環境を整えることができます。
しかし、ビニールハウスは広い土地に設置されていることが多く、夜間や作業時間外には無人になることが多いため、収穫前の高価な農作物や農機具や設備などの盗難リスクが高まります。
今回は、ビニールハウスにAI搭載防犯カメラを設置するメリットデメリットについて詳しく解説していきますので、最後までご覧になり参考にしてください。
目次
AI搭載防犯カメラの基本概要
AI搭載の防犯カメラが従来の防犯カメラとどれくらいの違いがあるのか、またどのような機能が搭載されているのか詳しく紹介していきます。
従来型防犯カメラとの違い
従来の防犯カメラの場合
単純に映像を記録し、後からその映像を確認するという役割が主でした。
例えば、愛情を注ぎ大切に育てた農作物が盗まれてしまったら、従来のカメラではビニールハウスが破られていたり農作物がないことに気づいた時に昨日の防犯カメラにおける記録映像をさかのぼって確認し、犯行時刻や犯行現場における犯行手口が発覚、そして警察へ通報という流れになります。
AI搭載防犯カメラの場合
AI搭載防犯カメラは、さまざまな検知機能を有しており、AIによって不審者や不審車両などが検知された際に即座に連携された管理者のスマートフォンもしくはパソコンなどのデバイスに通知され、リアルタイムの状況を確認することが可能です。
例えば、ビニールハウス周辺で不審者が動き回っている場合や、車両が不自然に止まっている状況をAIが解析し、侵入の兆候を早期に感知します。
そのため、作物が盗まれる前に犯行を未然に防ぐ可能性が高まり、迅速な対応によって被害を最小限に抑えることができます。
AI技術による検知機能について
AIの検知機能にはさまざまな種類があり、それぞれが特定の目的や状況に対応できるよう設計されています。
AI技術における一般的な検知機能の種類をいくつか紹介します。
検知機能の種類①:AI動体検知
AI技術を使った動体検知は、防犯カメラが映像内の動きをリアルタイムで検出し、あらかじめ蓄積されたデータから学習させて、異常な動作や不審な行動を解析し検出する機能です。
この機能により、カメラの視野内で人物を特定して動いている場合に通知や警報が発され、迅速な対応が可能となります。
また、AIは単純な動きではなく、その動きのパターンを解析し、不審者と通常の動作を区別することも可能となります。
検知機能の種類②:顔認識
顔認識機能は、AIがカメラ映像内から目や鼻などの特徴から顔と特定し、事前に登録された人物データベースと照合して住人や関係者であることを判別し、不審者を検出する機能です。
この技術により、セキュリティエリアに出入りする人物が許可された者かどうかを判別することや、登録されていない人物が侵入した際には不審者と判別し、警報を発することもできます。
検知機能の種類③:異常な動作や行動検知
異常な動作や行動を検知する機能は、AIが通常の行動パターンを学習し、通常とは異なる動きや動作をリアルタイムで検知する技術です。
例えば、建物の周囲で右往左往するような不審な動きをする人物や、不自然な歩行パターンを示す行動を検出することができるため、不審者や窃盗犯などの早期発見に繋がります。
検知機能の種類④:異常温度検知
AIが温度の異常を検知は、放火や火災のリスクがある場所では、温度変化をリアルタイムで監視し、通常とは異なる温度上昇を検出します。
また、放火や不審火などの火災や過熱する設備を早期に発見することで、被害を未然に防ぐことや最小限に抑えることができます。
検知機能の種類⑤:侵入検知・領域侵入検知
AIは、事前に設定された境界線を越える不審者や車両をリアルタイムで検知することができ、指定されたエリアや施設の周辺での不正な侵入を防止するために活用できます。
特に、大規模な敷地となる農場などでは、侵入経路が多いため、エリア内に侵入したら即座に通知され、リアルタイムの状況を把握することで適切かつ迅速に対応することができるため、窃盗などの被害が起きる前に追い払う効果に期待できます。
ビニールハウスにおけるAI防犯カメラ設置のメリット
ビニールハウスにおけるAI防犯カメラを設置するメリットについて紹介していきます。
リアルタイムでの異常検知と迅速な対応
AI搭載防犯カメラの大きなメリットは、リアルタイムでの異常検知機能です。AIはカメラが撮影した映像を即座に解析し、異常な動きや不審者の侵入を検出します。
ビニールハウスは人がいない時間帯や夜間が多く、その間に不審者が侵入するリスクが高まりますが、AIによる即時アラート機能により、盗難や破壊行為を未然に防ぐことができます。
具体例:不審者が夜間にビニールハウス周辺に現れた際、AIがその動きを検知し、管理者のスマートフォンや監視システムにアラートを送信することで迅速な対応が可能となります。
24時間監視による作物の保護
AI搭載防犯カメラは、24時間稼働し、無人の時間帯でもビニールハウスを監視し続けることができるため、夜間や休日など人気がない日時に発生しやすい盗難を防ぐことができます。
防犯カメラは、ビニールハウス内外の不審な動きを即座に検知し、異常を知らせることができるため、早急な対応が可能です。
そのため、盗難や不正侵入から守るための防犯対策は非常に重要です。
AI搭載防犯カメラをビニールハウスに設置することで、従来の防犯対策よりも高度な防犯システムが実現し、さまざまなメリットが得られます。
誤警報の最小化
従来の防犯カメラでは、風による葉や枝の動きなどによる誤検知が頻繁に発生することが課題となっていました。
特に農業用地やビニールハウスの周辺では、無害な小動物の動きが誤警報の原因となることがよくあるため、農業現場での防犯カメラの課題の一つとして挙がっていました。
しかし、AI搭載カメラでは、犬や猫、野生小動物がカメラの範囲内に入っても、「無視して良い対象」「重要な対象」と識別することができます。
また、AIには深層学習機能が備わっており、ビニールハウス周辺の通常の動きや動物の動きなどが学習され、それらは無視しても問題ないと判断されるようになります。
そのため、特定の環境に応じたカスタマイズされた監視も可能となります。
証拠映像の提供とトラブル対応
万が一、ビニールハウスで盗難や損壊が発生した場合でも、AI搭載カメラは映像を高精度に記録しているため、証拠として利用することができます。
また、異常が発生した際の映像を自動でマークし、アラートが発生した時点の映像をすぐに確認できます。
さらに、AIは顔認識や車両認識などの高度な分析を行うため、犯人の特定に役立つ情報をより正確に収集することが可能です。
そして、映像内で特定の行動(不審な動きや特定の人物の侵入)があった場合、その部分を自動でピックアップし、必要な部分の映像をすぐに確認できるため、手動で膨大な映像を確認する必要がないため、効率的に必要な情報を収集することが可能となります。
AI搭載防犯カメラのデメリット
AI搭載防犯カメラは大いにメリットがありますが、メリットだけではなくデメリットも把握してしっかりと検討することが大切です。
初期導入コストとメンテナンス・ランニングコスト
AI搭載の防犯カメラは、従来の防犯カメラよりも高機能・高性能なためカメラ本体の価格が高価になるため、初期費用が高くなりやすいです。
特にビニールハウスの規模が大きい場合、複数のカメラを設置する必要があり、その分の初期投資がかさむことになります。
また、カメラを常に撮影できる状態に保つためにも、日常的な保守から定期的なメンテナンスまで必要となり、他にもランニングコストなども無視できないため、運用におけるコストや修理・定期メンテナンスの計画を立てることが大切です。
誤検知や技術的な限界
AI搭載のカメラは、高精度な検知機能を有しており誤検知も大幅に減らすことが可能であるものの、まだ完全完璧ではありません。
AIの技術的には、AIの学習データの不足やネットワーク依存、処理能力の限界が課題となっています。
また、これらの問題に対処するためには、AIの学習データを強化したり、センサーの定期的なチェックやネットワークの強化などが有効となります。
ネットワーク環境への依存
AI搭載防犯カメラは、インターネット接続が必要な場合が多く、安定したネットワーク環境がないと十分に機能しないことがあります。
ビニールハウスが設置されている場所がインターネット接続が難しい地域の場合、ネットワーク環境の整備が追加のコストとして発生します。
万が一、ネットワークトラブルが発生してしまった場合は防犯システムのリアルタイム状況を確認できなかったり、一時的に機能しなくなるリスクも考えられるため、万全なネットワーク構築を整備しましょう。
AI搭載防犯カメラの選びと設置方法
ビニールハウスに設置するAI搭載防犯カメラはどんな機種・モデルを選ぶとよいか、また設置する方法について紹介していきます。
ビニールハウスの規模に合わせたカメラ選定
ビニールハウスの規模やレイアウトに応じて、適切なカメラを選定することが重要です。
特に広大な土地が多いため、広範囲をカバーするためにパノラマビュー機能やズーム機能を搭載したカメラが必要になることがあります。
また、犯人による犯行の手口や足取り・ルートなど、特定の場所を監視する場合は、複数のカメラを連携させることで、死角を最小限に抑えることができます。
適切な設置場所とカメラ配置
AI防犯カメラの効果を最大限に引き出すためには、カメラの設置場所が非常に重要となります。
不審者が侵入しやすい入り口や、外部からのアクセスが容易な箇所を優先的に監視するようにカメラを配置することが推奨されます。
また、高い位置に設置することで、広範囲の監視が可能となり、死角を減らすことができます。
ネットワーク環境の整備と電源確保
AI搭載カメラを効果的に運用するには、安定したインターネット環境と外部電源の確保が必要となります。
特にビニールハウスと住まいが遠くにある場合は、通信環境の整備が大きな課題となります。
無線LANの導入や専用のネットワーク回線を敷設することで、リアルタイムの監視が可能になります。
また、外部電源の供給を確保することにより、特に長期間稼働させることができるようになります。
万が一電源確保が難しい場合は、バッテリーやソーラーパネルを使用したモデルを検討することをおすすめします。
まとめ
AI搭載防犯カメラは、ビニールハウスの防犯対策として異常な動きや侵入者をリアルタイムで検知し、迅速な対応が可能となることから、農作物や農機具などの盗難や不法侵入から守ることができます。
一方で、初期コストやランニングコスト、ネットワーク環境の整備といった課題もありますが、これらをクリアすることで、長期的な防犯効果に期待できます。
また、適切なカメラ選定と設置、運用方法を整えることで、ビニールハウスの安全性を大幅に向上させることに繋がります。
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