防犯カメラは「記録する」時代から、「映像を分析・判断し、知らせる」時代へと進化しています。
とくにマンションでは居住者の安全と安心を守るためにも、防犯体制の質が問われています。
今回は、マンションの防犯カメラをAIカメラに買い替える理由について詳しく解説していきますので、最後までご覧になり、導入検討の参考にしてください。
目次
マンションにおける防犯対策の今までと未来
マンションでは防犯カメラの設置が一般化していますが、マンションが建てられた時から設置されている防犯カメラは設置時から故障がない限り、更新されていない可能性が高いです。
そんなマンションにおける防犯カメラの更新・買い替えを考えるべき理由について紹介していきます。
防犯カメラの設置状況と限界
日本国内のマンションでは、すでに70%以上の物件に何らかの防犯カメラが設置されているといわれています。
主に出入口や共用部分に設置されており、主に不審者の侵入や犯罪・トラブルの抑止力と証拠保全を目的として運用されています。
しかし、従来型のカメラは基本的に「映像を録画すること」が目的です。
もし、事件やトラブルなどが発生した場合であっても、誰かが異常を発見しない限り映像を確認することはなく、そもそも事件やトラブルがあったことすら気づくことができない可能性もあります。
そのため、トラブルや犯罪が発生して、誰かが映像を確認する状況になって初めて事件・トラブルとして発覚するため、事件から何日後・何週間後になり、予防的な意味では十分とは言い難いのが現実です。
映像記録だけでは防げないトラブルの増加
マンションで起きるトラブルとしては、ゴミの不法投棄、住民間の騒音問題、部外者の無断侵入など多岐にわたります。
防犯カメラで記録していても、管理人がリアルタイム監視していない限り対応されないことが多くあります。
高級マンションの場合はコンシェルジュや管理人が常駐していることも在りますが、一般的なマンション管理では、管理人不在の時間も多いため、リアルタイムの事件やトラブルを把握することが困難です。
たとえば、「ゴミ出しルール違反が毎週続いている」「敷地内で子どもが危険な遊びをしている」など、映像を残すだけでは解決につながらない問題も少なくありません。
こうした日常的な小さな“異常”に対して、リアルタイムで対応できる仕組みが必要とされています。
居住者の安心感を左右する監視体制の質
住民が「このマンションは安心だ」と感じるには、防犯カメラの台数や種類だけでなく、その“運用の質”が問われます。
また、防犯カメラが最新モデルだったとしても、実際に問題が起きたときに反応できる体制をとっていなければ意味がありません。
逆に、常に異常を監視して通知してくれるような仕組みがあるだけで、住民の心理的な安心感は大きく変わります。
AIカメラはこの「安心感」に貢献するツールとして非常に効果的なソリューションです。
AIカメラへの買い替えが「最適解」
AI技術を活用した防犯カメラは、これまでの「見る・記録する」だけの機能から大きく超えました。
AIカメラは、映像から「分析・判断し、即時に対応につなげる」能力を備えているため、現代のマンション防犯にとって最も最適な選択肢となりつつあります。
従来型の防犯カメラとの決定的な違いについて具体的に紹介していきます。
人物や動きをAIが自動認識
AIカメラには、人物・動物・車両などの“動く対象”をリアルタイムで高精度で判別する機能が搭載されています。
これにより、「誰がどこで何をしているか」「どの方向に移動しているか」といった情報を、映像解析を通じて瞬時に判断できるようになります。
たとえば、顔認識なども可能な機種があり、「建物への侵入」や「建物内の滞在」などを即座に検知し、通知とともにターゲットを自動追尾することも可能となります。
長期の滞在を瞬時にアラート
AIカメラの最大の特徴のひとつが「アラート機能」です。
不審な動きや通常とは異なる行動を検知すると、管理者の端末に即時で通知が届くようになりますが、同時に防犯カメラのスピーカーから警告音を発することも可能です。
たとえば、深夜帯に敷地内をうろつく人物や駐車場で不自然に長時間立ち止まる人を検出し、自動で警告を発し、近づかせないような使い方もできます。
こうしたリアルタイム対応によって、犯罪を未然に防ぐ抑止力が格段に高まります。
異常検知による即時対応
AIカメラは単に映像を撮るのではなく、「通常と異なる」事象を学習・蓄積することが可能です。
AIの学習データや過去の行動パターンと照らし合わせながら、異常と判断される事象が起こった際には、即座にフラグを立てて関係者に通知します。
この機能によって「何かあったかもしれない」ではなく、「今、異常が起きている」という事実をリアルタイムで捉えることができ、必要に応じた対応を迅速に開始できるようになります。
今までの従来録画型カメラでは不可能だった“瞬間的かつ正確な判断”が、AIによって実現可能となりました。
AIカメラの導入効果と導入事例
AIカメラによる防犯力向上・管理負担軽減・住民満足度向上といった効果を具体的な事例とともに紹介していきます。
AIカメラ導入事例①:事件・トラブルの発生率の変化
首都圏の分譲マンションでは、AIカメラ導入前と後を比較した結果、不審者の敷地内立ち入りが月平均4件から1件に減少したという事例があります。
また、ゴミの不法投棄や夜間の騒音行為も、AIカメラによる検知機能と警告音によるアラート機能により抑制されるようになりました。
カメラによって“見られている”という意識から、不審者側が警戒心を抱くようになり、犯罪抑止力として機能しているといわれています。
AIカメラ導入事例②:入居希望者数の増加につながった事例
不動産仲介業者の調査によると「AIカメラを導入済み」と紹介されたマンションは、内見数・成約率ともに向上傾向にあるといわれています。
特に、子育て世代やシニア層をターゲットにした物件では、最新の防犯対策による内容が入居検討において、大きな差別化要因になっているようです。
ある物件では、Webサイトに「AI防犯カメラ搭載」と記載したことにより、問い合わせ数が前月比で1.5倍に増えたという事例もあるので、住まい選びにおける“安心材料”として、高く評価されているようです。
AIカメラ導入事例③:管理コスト削減との関連性
AIカメラの導入により、管理人の巡回頻度の削減や、録画映像の確認時間の短縮など、日常の管理業務が効率化されているといわれています。
たとえば、駐輪場で自転車のイタズラを検知し、通知が即座に届き、リアルタイムでの状況確認から即座に対応したことで、後日調査の手間や対応時間が半減したという例もあります。
また、ネットワークでの映像共有が可能なモデルであれば遠隔地にいる管理者でも即時に状況を把握できるため、人的リソースの最適化にもつながります。
管理委託費の圧縮や、外部警備サービスの契約見直しにまで波及したケースもあり、経済的な効果にも期待ができます。
AIカメラがマンション管理にもたらす付加価値
AIカメラの導入は防犯対策としての側面だけでなく、マンション管理全体の効率化・質向上にもつながるため、防犯以外の目的でAIカメラの機能が活かされる事例も増えています。
ここでは防犯以外の「付加価値」に着目し、その具体的な活用法について紹介していきます。
管理人不在時の見守り機能
小規模マンションや管理人の常駐時間が限られている物件では、夜間や休日における管理の空白時間が問題視されがちです。
しかし、AIカメラは、その空白を埋める“仮想管理人”としての役割を担うことができます。
たとえば、深夜にエントランスで不審な人物が立ち止まっている様子(滞在検知機能)を検知すれば、AIが即座に判断し、管理者や警備会社に通知することが可能です。
そのため、管理人がいなくてもトラブル発生時に即対応できる体制が整うため住民の不安を軽減し、実質的な「24時間監視体制」の一端を担うことに繋がります。
ゴミ出しルール違反の監視精度
マンションで意外と多いのが「ゴミ出しルール違反」に関するトラブルです。
特に賃貸の場合は、住人同士の関係が浅いため、決められた曜日以外にゴミを出したり、分別を守らない不法投棄をする確率が高いのが現状です。
こうした問題は衛生面だけでなく、住民同士の関係性悪化、さらには近隣の住宅からの苦情にも繋がってしまいます。
そのため、AIカメラでゴミ置き場を監視し異常時に自動でアラートされるようにします。
これにより、証拠をもとに注意喚起ができるため、住民間の不公平感やトラブルも未然に防ぐことに繋がります。
共有スペースの利用状況の可視化
ラウンジやキッズスペース、フィットネスルームなど、共用施設を有するマンションの場合、利用状況をAIカメラで把握することで混雑の可視化が可能となります。
人数カウントの機能により、人の出入りをリアルタイムで解析できるため「現在の利用人数」や「ピーク時間帯」のデータなども取得できます。
これにより、予約システムや人数制限といった管理の見直しにも活用でき、快適な共用スペース運用に役立ちます。
エレベーター内の事故・異常の即時検知
エレベーター内での転倒や体調不良、いたずら行為などは、閉鎖空間であるがゆえに発見が遅れがちです。
そのため、AIカメラを設置することにより、急な動作や異常な滞在時間を検知し、即座にアラートを発することが可能になります。
あるマンションでは高齢者が倒れた際にAIが転倒検知により管理者へ即座に通知し、迅速に対応できたことで大事に至らなかったという事例もあります。
事故の早期発見だけでなく、管理者の不在時でも異変に気づける体制が整うことは、居住者にとって大きな安心材料となります。
AIカメラの買い替え前に確認すべきポイント
AIカメラは優れた機能を持つ一方で、導入には注意が必要です。
誤った導入や準備・計画不足では、思わぬトラブルや住民からの反発を招く可能性もあるため、買い替えを検討する際に事前に押さえておくべき重要なポイントについて詳しく紹介していきます。
プライバシー配慮と住民への説明
高性能なAIカメラは人物の顔や行動を詳細に記録できる反面、プライバシーの懸念も高いです。
たとえば、共有部分での会話や習慣までも記録されてしまう場合、住民が「監視されすぎている」と不快に感じる恐れがあります。
このような誤解や不安を避けるには、設置目的を明確にし、録画対象・時間帯・保存期間などを住民に丁寧に説明することが必要です。
そのため、説明会の開催や書面での事前告知、質疑応答の機会を設けるなど、透明性を高めることで、理解と協力が得られやすくなります。
カメラの死角や稼働時間の検証
どれだけ高性能なカメラを導入しても、設置場所が適切でなければ期待した効果は得られません。
マンション内には死角となりやすい階段裏や植栽の影、エレベーター周辺など、人目に付きにくい場所が多数存在します。
そのため、設置前には必ず専門業者による現地調査を行い、死角や照明の状況、通行頻度などをもとに最適な設置位置を検討しましょう。
また、夜間の照度や稼働時間帯も考慮する必要があります。
センサーライトとの連携や赤外線撮影機能など、環境に応じた機能を選択することで、監視の精度が大きく向上します。
維持費やクラウドサービスの有無
AIカメラは、導入時による初期投資だけでなく、運用における継続的なランニングコストも発生してきます。
具体的には、メンテナンス費用、クラウドへの映像保存費用、定期的なファームウェア更新、保守契約などが考えられます。
これらの費用はプランによって異なるため、導入前に見積もりを比較し、年間の運用コストやメンテナンス費用を明確にしておくことが大切です。
また、録画期間や保存容量に制限がある場合もあるため、物件の利用状況に適したプラン選びが求められます。
緊急時の対応フローの再構築
AIカメラは異常を検知して通知まで自動で行いますが、その通知を受けた後に誰が何をするのかが曖昧なままでは対応が遅れてしまいます。
管理会社や警備会社との連携体制、住民からの通報時の対応ルールなど、対応フローを見直し、緊急時のマニュアルを策定することも大切です。
また、運用初期には検知機能の調整なども必要になるため、試験運用期間を設け、実際の通知頻度や対応のしやすさをチェックすることが大切です。
まとめ
AIカメラは従来の映像記録装置ではなく、マンションの安全・安心を守るために「異常を見つけ、即座に知らせる」機能を備えた“能動的な防犯システム”へと進化していきます。
年々、犯罪が凶悪化している時代だからこそ、現在の住宅環境に求められるのはAIカメラといえます。
また、AIカメラは防犯目的だけでなく、管理業務の効率化や、住民同士のトラブル防止、共用スペースの快適な運用といった面にも多大な貢献も可能です。
マンション管理にとって、AIカメラは「安心・便利・省力化」を同時に実現できるソリューションといえるため、買い替えの際は最新技術のAIを搭載した防犯カメラを選ぶことをおすすめします。
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