駅構内やホームで起こるトラブルや犯罪、事故は多く、事件や事故を予防する対策として防犯カメラを活用できます。
しかし、従来の防犯カメラではなく、高精度なAIカメラを使用することで、より高度なセキュリティ対策や駅員の労働環境の改善にも役立つ映像ソリューションとなります。
今回は、駅構内やホームにAIカメラの導入を検討すべき理由と導入時の課題と対策について解説しますので、ぜひ最後までご覧になり導入の参考にしてください。
目次
駅ホームにおける人手不足と安全性の課題
鉄道会社のなかには、駅ホームでの人手不足と安全性の低下という課題を抱えているところもあるため、駅ホームにおける様々な課題について確認しておきましょう。
人手不足が引き起こす運営上の問題
鉄道業界では、特に若者の労働力不足が深刻化しており、社会問題の一つとしても取り上げられています。
その主な原因としては、夜勤を含めたシフトの多大な負担や、その負担に見合わない低待遇に対する不満などがあげられ、特に若年層の離職率が高い結果に結びついてしまっています。
鉄道業界では、年中無休で24時間体制で勤務する方法を採用していることが一般的で、実は夜勤も存在します。
鉄道会社によって働き方に違いがありますが、運転士や車掌では24時間体制で仮眠や休憩をはさみ勤務し、勤務後に2連休があるパターンが多く、「夜勤早番」「日勤」「夜勤遅番」などの勤務時間があり、不規則な生活リズムで仕事をするため精神的・肉体的な強さが求められます。
日本の鉄道業界は、1分の遅延でもクレームやダイヤの乱れにつながってしまうため、厳格な時間の管理が必要とされており、鉄道会社のなかには、時刻表通りに列車が運行されなければ、給与の減額される場合もあるようです。
特に、乗客が駆け込み乗車することで発生する遅延や、乗客の行動が原因で車両と接触してしまった場合は数分間の車両点検が行われるため、定刻通りの安全な運航ができなくなり、遅延に対する乗客からの苦情の対応や駅員が責任を負わされてしまうこともあるため、精神的なストレスが大きくなりやすい環境でもあります。
また、稀に人身事故が発生した場合も迅速かつ適切な対応をしなければならず、人身事故の処理が原因でトラウマを抱えてしまい、退職してしまう職員もいるため、若い世代の成長や人手不足が課題となっています。
駅ホームでの安全性確保の重要性
駅ホームでの安全確保は、列車に乗車する全員の命と安全に運航を保持するためにとても大切なことです。
駅ホームにおける安全確保の方法には、以下のようなものが挙げられます。
・ホームドアの導入
・駅員を呼び出すインターホンの設置
・AED(自動体外式除細動器)の設置
・非常停止ボタンの設置
・スレッドライン(注意喚起シート)を敷く
・転落検知マットを敷く
これらの中でもホームドアは、ホームから線路への転落、列車への接触事故を防ぎ、列車を時刻通りに運行するためには欠かせない重要な設備となっています。
さらに、ホームドアがあると駅利用者にとっても待ち時間が安心につながります。
AIカメラ導入における人手不足の解消のメリット
駅構内やホームにAIカメラを導入することによって、なぜ人手不足を解消できるのか理由を紹介します。
AIカメラの自動化技術による業務効率化
AIカメラは、異常検知とアラート機能を搭載しており、人間の転倒や不審な行動をリアルタイムで検出し、即座にアラート通知を発信してくれるため、駅員の監視業務が軽減され、他の重要なタスクに集中することが可能になります。
また、AIは大量のデータを学習することで、正常なパターンと異常な行動を判断するパターン分析を行い、混雑時や異常事態への対応が効率化されます。
他にも、AIは映像データを分析し、特定の時間帯や曜日に起こりやすいトラブルを予測することで、混雑時などのタイミングで人員を配置させるなど、人的リソースの最適化が実現され、効率的な人材配置が可能になります。
AIカメラによるトラブル検知と対応の迅速化
AIカメラを設置すると、AI機能により異常行動や不審者の動きを瞬時に検知しトラブルや事故、事件が発生した際にスムーズにかつ適切に対応することができます。
AIによる検知機能には、転倒や急病などの事故を自動で検知し、駅員や担当チームに即座に通知することで、命を救い、被害の拡大を防ぐことができます。
また、リアルタイムで混雑状況を把握し、適切に人員を配置、乗客を誘導することで、トラブルや事故の拡大を防ぐことに繋がり、より安全な駅を維持することができるようになります。
そして、検知したトラブルの情報はデータとして記録され、「検知機能の精度向上」や「対応策の改善」などに活用されるため、誤検知や誤識別よるリスクを低くし、高精度な検知機能として強化されるようになります。
駅員の負担軽減と労働環境の改善
AIカメラの導入は、日常的な監視業務を自動化し、トラブルや事件・事故なども自動で検知するため、駅員が24時間体制で監視を行う必要をなくし、精神的なストレスが軽減され、特に重要な場面に集中でき、トラブルへの迅速かつ的確な対応が可能となります。
そのため、駅員は一人当たりの業務効率が向上し、乗客案内やサービス改善などの他の重要な業務に注力できるようになるため、サービス全体の質も上がります。
また、業務効率や労働環境の改善により、スタッフのモチベーションも向上させ、離職率を低下させることで、長期的な人材確保を守ることに繋がります。
さらに、人材確保が難しい地域でも効率的な運営が可能となり、人手不足による課題に対しても、少人数のスタッフで駅ホームの安全を確保することもできるようになります。
AIカメラで実現する駅ホームの安全性向上
AIカメラによって、駅員の負担を軽減するだけではなく駅ホームの安全性を向上につながる理由について解説します。
転倒検知や非常時の対応
AIカメラは、駅ホーム上で人間が突然転倒してしまう事故などをリアルタイムで検知する機能を備えており、映像内の人物の姿勢や動きに異常があった場合(例えば、突然の転倒や不自然な動作)を瞬時に認識します。
そして、検知された異常は即座に駅員や関係者に通知され、転倒事故の発見が遅れるリスクが減り、乗客の安全が守られるだけでなく、緊急医療対応も迅速かつ適切に行うことができます。
また、線路へ誤って転落してしまった場合は緊急アラームが自動で作動し、周囲の乗客にも注意を促すための音声案内を流すことも可能となります。
不審者検知やセキュリティ強化
AIカメラは、人物の行動パターンを解析し、不審な行動を即座に検知することができます。
例えば、カメラは長時間同じ場所に留まっている、予期せぬ動きをしている、または群衆の中で目立つ行動を取る人物を特定することができます。
駅ホームという公共の場所は、人が集まりやすく「痴漢」「盗撮」「窃盗」「暴行」などの犯罪行為となりそうな状況や環境が潜んでいるため、AI機能による高精度な検知機能は、これらの犯罪を抑止させるための効果に期待ができます。
また、AIカメラの映像から、特定の人物を検出させることができ、逃走ルートや使用した改札などを瞬時に割り出すことも可能となるため、事件・事故・トラブル直後の対処や再発防止にも期待できます。
混雑時の人流管理と安全確保
AIカメラは、混雑時の人の流れをリアルタイムで分析し、駅ホームのどのエリアが過密状態になっているかを即座に把握することができるため、駅の管理者に通知されるだけでなく、自動的に混雑状況を示すディスプレイに表示されたり、案内アナウンスが流れることで、乗客の動きを誘導することが可能となります。
これにより、混雑による将棋倒しなどの事故リスクを減らし、乗客が安全に移動できる環境を整えることに繋がります。
さらに、ラッシュアワーなど特定の時間帯や、イベントなどの臨時的な運航状況に応じた適切な対策を講じることができ、効率的な運営をサポートとなります。
また、迷子や放置された荷物を検知し、担当者に通知を送ることで、事故や犯罪が発生する前に防ぐことができ、駅全体の安全性が高まることで、安心して鉄道を利用できる方が増え、利用者の増加や収益の増加にもつながるでしょう。
AIカメラ導入の課題と対策
AIカメラを導入することで様々なメリットを得られますが、導入時の課題や対策について解説します。
導入コストとメンテナンスの課題
AIカメラは、一般的な録画・保存ができる防犯カメラと比較して多機能・高性能であるためカメラ本体が高額となり、設置費用、電源の確保にかかる費用、インターネット環境の整備費用、クラウドサーバーの管理費、その他の維持・メンテナンス費用が発生します。
また、独自システムも導入した場合、システムの開発と導入費用を合わせるとトータルでかかるコストはかなり高額となります。
特に、規模が大きな駅やいくつかの駅にAIカメラを導入する場合、台数も増えるため必然的にコストも大きくなります。
【対策】
導入コストを抑えるためには、試験的に段階的な導入を検討することが効果的です。
まずは、混雑やトラブルの多い重点エリアにAIカメラを設置し、順次拡大することで負担を分散できます。
また、メンテナンスについて独自システムを開発する場合は、AIベンダーとのサポート契約を結ぶことで、定期的なメンテナンスやアップデートを一括管理し、効率的な運用を図ることも可能となります。
他にも、クラウドサービスや助成金・補助金の利用、リース契約をすることなども挙げられます。
データセキュリティやプライバシー保護の問題
AIカメラは、これまで使用されてきた防犯カメラと比較して個人情報を記録・分析する機能が高いため、プライバシー保護に配慮することが重要となります。
駅を利用する方の顔が鮮明に映し出されるだけではなく、AIが個人の行動を分析するにより、個々の毎日の行動や勤務地、自宅最寄り駅なども明らかになる可能性があります。
【対策】
データセキュリティ対策としては、データの暗号化やアクセス制限を設けることが重要です。
また、プライバシーポリシーの策定と公開、乗客への適切な情報提供も重要なポイントです。
他にも、映像内の顔を自動的にぼかしたり、ピクセル化したりして、個人が特定されないように映像の匿名化をする必要も考えられます。
そして、AIカメラが集めたデータにアクセスできる担当者を制限し、情報の漏洩や不正利用を予防するための厳重なデータ管理、セキュリティ対策を実施することが非常に大切です。
運用開始後の現場でのサポート体制
AIは最先端の技術であり、精度も高いですが、100%完全ではないため、誤検知や誤認識が発生する可能性があります。
AIからの通知は高精度ではあるものの、リアルタイムの映像を確認したり、現場での判断や対応は駅員が実施しなければなりません。
また、AIシステムの操作方法や異常時の対応プロセスを理解し、スムーズに運用できる体制を構築することが求められます。
【対策】
AIの検知精度向上のためには、AIシステムを定期的に学習させ、ローカルなデータを用いたカスタマイズを行うことが有効です。
また、異常検知の基準を調整し、環境に最適化することで、誤検知を最小限に抑えることが可能です。
AIカメラを導入する前に現場スタッフに対する研修を実施し、AIカメラの使い方やメンテナンス方法などを習得させることで、適切な運用やトラブルの対処が可能となります。
他にも、AIカメラの運用ガイドラインを策定し、異常発生時の手順を明確にすることで、トラブル時の対応が迅速かつ的確に行えるようになります。
そして、定期的なフィードバックをもとに、運用体制を見直すことも大切です
まとめ
昨今の人手不足はどの業界にも通じる課題となっています。
しかし、鉄道業界が直面している人手不足による課題を解決させるためにはAIカメラによる業務効率の改善と検知機能による迅速かつ適切な対処により安全な運航への実現が期待できます。
人手不足や業務効率化、セキュリティなどの課題に対して、どのような検知機能を備えたAIカメラを導入するべきなのか、悩まれている方は、お電話もしくはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。
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