工場や週末の建設現場、中古車販売店などは、人の目がなくなる深夜の時間帯こそ、犯罪や異常事態などのリスクが最大化します。
暗闇でも動きを逃さず捉え、かつ“異常”を見分けるためには赤外線カメラによる暗所可視化+AIによる自動解析という2つの機能を備えたソリューションが重要となります。
今回は、夜間の屋外防犯対策として「なぜ赤外線とAIの両方が必要?」という視点から、導入戦略についてわかりやすく解説していきますので、最後までご覧になり参考にしてください。
目次
夜間の防犯カメラが見えづらい理由
夜間に防犯カメラの映像が「ぼやけて見える」「真っ暗で何も映っていない」「動いているものがよく分からない」といった状況になるのには、いくつかの理由があります。
夜間の防犯カメラが見えづらい理由①:光が足りない
夜間に防犯カメラが「映ってはいるが何が写っているかわからない」という事態が多発する最大の理由は、現場に光源が不足していることが多くあります。
特に街灯が届かない裏口や資材置き場、仮囲いの裏などでは、可視光がゼロに近い環境になりやすく、通常のカメラでは映像が真っ暗になってしまいます。
照明を増設すれば対応可能ですが、電源・工事コスト・景観問題などのハードルがあり、現実的ではない現場も多いため、暗所対応の赤外線カメラやAI暗視技術が求められます。
夜間の防犯カメラが見えづらい理由②:赤外線だけでは限界がある
赤外線カメラは暗闇でも撮影可能なため、多くの夜間対応カメラには「赤外線LED」が搭載されており、暗い中でも白黒映像を映し出す仕組みになっています。
しかし、赤外線の照射距離には限界があり、一般的な機種では5~30メートル程度。敷地が広い現場ではカバーしきれない死角が生じてしまいます。
また、赤外線で映る映像は白黒のため、服の色や車両の種類など視覚的な判断材料が不足することもあるため、AIによる動きの解析や異常行動の識別機能と組み合わせることが推奨されています。
夜間の防犯カメラが見えづらい理由③:カメラの性能に差がある
防犯カメラとひと口に言っても、安価な汎用品から高機能・高性能なモデルまで性能差はとても大きいです。
例えば、夜間でも鮮明な映像を映せる「高感度センサー」や「カラー夜間モード」などの機能がないと、暗闇ではピントが合わず、映像がぼやけたり白く映ったりします。
また、単に画素数が高いだけでは夜間映像が明瞭になるわけではなく、暗所対応のセンサー性能や赤外線照射の均一性、ノイズ処理技術などの違いなどが視認性に直結してきます。
そして、工場や倉庫などは24時間稼働に耐える耐久性や画質安定性、録画保存力も求められるため、価格だけでなく総合性能での選定が重要となります。
夜間の防犯カメラが見えづらい理由④:レンズの曇りや汚れ
屋外設置の防犯カメラでは、湿気や埃、虫の影響などでレンズが曇ったり汚れたりすることがあり、これらも夜間の映像が見えにくくなる要因となっています。
特に夜間は、レンズの曇りが赤外線の反射を引き起こし、白飛びや映像のぼやけの原因となります。
そのため、定期的な清掃や、曇り止め対策を施すことで、映像の品質を維持することができます。
AIによる映像分析や従来防犯カメラとの違い!
従来の防犯カメラは「記録するだけ」でしたが、AI映像分析が搭載されていることでどのような違いがあるのか紹介していきます。
動体検知だけじゃない?AIの認識力とは!
従来の防犯カメラに搭載された「動体検知機能」は、フレームの変化を捉えて反応する仕組みですが、風で揺れる木や小動物にも反応してしまう精度の低さが課題でした。
しかしAIカメラの場合、映像内の「何が動いたか」を識別する力を持っているため、人や車、動物などをそれぞれ検知することができるため、誤検知による間違ったアラートを出すことが極めて少なくなります。
アラート通知でリアルタイム対応も可能
AIカメラの多くは、異常を検出した瞬間にアラート通知を管理者へ送信する機能を備えています。
通知方法はスマホアプリ・メール・警備連携など多岐に渡り、“現場で何かが起きている”ことを即座に把握できます。
たとえば倉庫での深夜の侵入や、工事現場での資材持ち出しなど、映像を見返す前にリアルタイムの状況を確認することで迅速な対応を開始でき、実害の抑止や犯人確保にも大きく貢献してくれます。
また、録画と同時に通知されるため、後追い調査の時間短縮や報告精度の向上にもつながります。
不審者・不審行動を自動で判別
AI映像解析の強みは、「誰が」「どこで」「どのように」行動したかをリアルタイムに判断できることです。
たとえば、建設現場において営業時間外に人が侵入した場合、AIはその時間帯・行動範囲をもとに「不審行動」として自動でフラグを立てることも可能です。
また、同じ場所を反復横断したり、フェンス沿いを不用意に徘徊など、通常とは異なる行動パターンから不審者として検出させることができます
夜間の屋外用防犯カメラに赤外線×AIカメラが選ばれる理由
夜間の屋外用防犯カメラには、赤外線とAIが搭載された防犯カメラがおすすめですが、なぜ「赤外線×AI」なのか紹介していきます。
赤外線×AIカメラが選ばれる理由①:暗闇でも攻めの防犯対策
赤外線カメラは暗闇でも映像を撮影できますが、単体では「映っているだけ」で、従来の防犯カメラの役割と同じで後手の防犯対策のままです。
そこにAIの分析機能を組み合わせることで、暗闇でも不審者を検知し、さらにリアルタイムで通知させ、すぐさま対処することができるようになるため、後手にならずに攻めの防犯対策として活用することができます。
赤外線×AIカメラが選ばれる理由②:異常の“自動抽出”で見逃しゼロへ
夜間に膨大な映像を手動で確認するのは、見落としが発生したりすべて把握することはほぼ不可能です。
しかしAIがあることで、異常行動のみをピックアップして通知・記録することができ、人の目では追いきれない部分まで自動でカバーしてくれます。
たとえば「侵入禁止エリアへの侵入」「物体検出」といった、怪しい挙動をリアルタイムで通知し、自動追尾機能がある場合はターゲットに設定され行動をすべて記録してくれるようになります。
赤外線×AIカメラが選ばれる理由③:警備費や人件コストの大幅な削減
赤外線×AIカメラは、24時間体制での警備員配置や夜間巡回のサポート機器としても活用が進んでいます。
特に、深夜の工場や倉庫などの周辺は、光もなく真っ暗であることが多いため、赤外線カメラとAIにより人物・車両・動きの異常をリアルタイムに検知し、必要なときだけアラートで担当者もしくは警備会社へ即座に通知させることで警備員や夜間巡回を減らすことに繋がります。
これにより、「常時巡回」から「異常時だけ対応する警備体制」へと切り替えられ、警備コストを削減することに繋がります。
屋外用赤外線×AIカメラの導入における注意点
屋外用の赤外線×AIカメラを導入する際に注意しておくべきポイントについてしっかりと解説していきます。
設置場所と視野角の最適化が必要
AIカメラは設置位置と角度によって性能が大きく左右され、特に赤外線カメラは照射範囲に限界があるため、想定される侵入口や通路を確実にカバーできる位置に設置することが重要です。
また、設置が高すぎると照射が届かず、逆に低すぎるとカメラ自体が破損や盗難のリスクにさらされてしまいます。
他にも、AIの分析精度を高めるためには人や車両の動きが横断する角度で捉えるレイアウト設計がベストです。
そのため、専門業者による現地調査と試験設置を事前に徹底的に行うことで、長期的に死角のない適切な運用ができるようになります。
赤外線とAIの性能差を理解して選定する
すべての赤外線カメラやAI分析システムが同等の性能を持っているわけではありません。
たとえば赤外線の照射距離は10m未満〜50m以上まで幅があり、屋外での用途によって適した機種は異なります。
またAI分析機能も、「動体検知レベル」の簡易なものから、「人物識別」「滞留検知」「侵入検知」などの高度な処理までさまざまです。
目的と現場のリスクに合ったスペックを選ぶことで、適切な防犯対策として運用することができるため、予算と目的をしっかりと決めることが大切です。
ネットワーク・電源・保存環境の整備も不可欠
AIカメラはリアルタイム分析やクラウド録画が主流のため、安定したインターネット回線と十分な電源確保が前提となります。
もし、設置する環境が仮設現場や山間部などの場合は、LTE通信やモバイルバッテリーの導入が必要になるケースもあります。
さらに、録画データの保存期間や画質設定によってストレージ容量が不足する問題も起こりやすいため、保存方法(クラウド or ローカル)とデータ容量を事前に計画的に検討しておくことが重要となります。
設置環境と運用体制のバランスを取ることが、長期的な安定運用の鍵となります。
まとめ
夜間の防犯対策において、「映っているのに、何が起きたのか分からない」「録画を見返すのが手間」という課題に、赤外線とAI映像分析の導入はとても重要なポイントとなります。
映像が見えるだけでなく、AIによる解析と即座に通知することで「見える+気づける」という体制を整えることができます。
そして、従来の後手の守りではなく、リアルタイムでの迅速かつ適切な対処により、犯罪やトラブルなどをいち早く食い止めることができる攻めの守りとなり得るでしょう。
もし、屋外用の防犯カメラやAI搭載防犯カメラの選び方について不安に感じている方、詳しい情報が知りたいという方は、お電話もしくはお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。
弊社専門スタッフがお悩みやお困りごとをヒアリングさせていただき、お客様のニーズに合った最適なご提案をさせていただきます。
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