防犯カメラを設置していたとしてもモデルが古く性能が低かったり、画像の画素が粗すぎたり、犯行の瞬間を上手く捉えられなかったりすると、防犯カメラを設置する効果がなく、ただコストがかかるだけのお飾りとなってしまいます。
今回は、防犯カメラの効果を引き出せない原因や、防犯カメラ導入の失敗事例をご紹介しますので、ぜひ最後までご覧になり参考にしてください。
目次
防犯カメラの役割と期待される効果
防犯カメラに期待される効果と、その役割について解説します。
防犯カメラの基本的な役割
防犯カメラの基本的な役割は、「犯罪を未然に防ぐ犯罪抑止効果」「犯行が発生した時に犯罪の瞬間を映像として記録する証拠撮影」「防犯カメラを設置することで得られる安心感」の大きく分けて3つの役割を担っています。
この3つの役割をさらに細かく説明していきます。
防犯カメラの役割①:犯罪の抑止効果
防犯カメラが設置されていることで、カメラの存在感により潜在的な犯罪者に対する威嚇効果が生まれます。
また、犯行の現場がカメラによって監視されていると分かれば、犯罪行為を思いとどまる可能性が高まります。
特に、人の気配がすくない店舗や公共の場などは、人目がないことをいいことに犯罪を起こしても「バレない」という思考になりやすいといわれているため、カメラの存在による犯罪抑止効果には期待ができます。
そして、防犯カメラの存在による犯罪抑止効果が高まることにより、地域の安全性を維持することができるため、住民が安心して暮らすことにも繋がります。
防犯カメラの役割②:監視と記録
防犯カメラは、リアルタイムでの監視だけでなく、映像を記録する機能も備えています。
万が一、事件や事故が起きた場合に、記録映像を確認することで犯人の逮捕など適切な対応をすることができます。
例えば、万引きや車上荒らし、暴力事件などが発生した場合、カメラの映像が犯人特定や事実確認に役立ちます。
防犯カメラの役割③:証拠の提供
防犯カメラの映像は、事件が発生した際に法的な証拠として使われることが多いです。
例えば、警察が犯人を特定するための手がかりとして映像を解析したり、裁判の際に証拠として提出されます。
特に、映像が鮮明で明確であればあるほど、犯罪者の特定や逮捕が迅速に行われる可能性が高まり、有効な証拠として立証されやすくなります。
防犯カメラの役割④:リモート監視の可能性
最近の防犯カメラは、インターネットを介して遠隔地から監視できる機能を備えています。
これにより、店舗やオフィスの管理者が外出先からでも状況を確認することが可能となり、より迅速な対応ができるようになります。
また、異常を検知した場合に自動的に警告を発するシステムと連携することで、さらに安全性が向上します。
防犯カメラの役割⑤:トラブル防止と管理向上
防犯カメラは、犯罪だけでなく、施設内外でのトラブルや事故の防止にも役立ちます。
例えば、従業員や顧客同士のトラブルや、建物の損壊などの管理がしやすくなります。
これにより、適切な対応や予防措置を講じることが可能となり、施設全体の運営効率を向上させることに繋がります。
防犯カメラの役割⑥:人の安全を守る
防犯カメラは、公共の場や交通機関、病院などで人々の安全を確保するために使用されます。
不審者の侵入を防止したり、緊急事態に迅速に対応するための重要なツールとして活用されることが多く、特に深夜や人が少ない時間帯のセキュリティ強化に貢献しています。
犯罪抑止や証拠収集のための設置目的
防犯カメラは、犯罪抑止効果と証拠収集能力を目的として設置されることが多く、防犯カメラが社会全体の安全性を高めるための基本的な要素であり、個人や企業、公共機関など幅広い場所で導入されています。
犯罪抑止のための防犯カメラ設置
防犯カメラの最大の利点の一つである犯罪の抑止力は、犯罪者にとって「監視されている」「犯行の証拠が残るかもしれない」などと犯行するにはリスクがあると思いこませることで犯罪を思いとどまらせる可能性が高まります。
特に商業施設や公共の場では、店舗の入り口や駐車場、路上に設置された防犯カメラが犯罪行為の抑止効果に期待できます。
具体的な効果
・万引きや強盗の抑止:小売店やコンビニエンスストアでは、カメラが目に見える場所に設置されることで、潜在的な犯罪者に対して警戒心を植え付け、万引きや強盗の発生率を低下させることができます。
・不審者の侵入防止:住宅地やオフィスビルの入口、エレベーター、駐車場にカメラを設置することで、不審者の侵入を未然に防ぐ効果も期待できます。特に犯罪が多発するエリアでは、防犯カメラがあることが犯罪者に対する大きなプレッシャーとなります。
防犯カメラの設置による抑止効果は、実際の犯罪発生率の低下に大きく貢献しているため、多くの企業や住宅地で設置が進められています。
また、防犯カメラの存在を明確にアピールする看板やステッカーと併用することで、より一層の抑止効果を得ることができます。
証拠収集のための防犯カメラ設置
犯罪が発生した場合、防犯カメラの映像は非常に重要な証拠となります。
警察や裁判所では、犯行の瞬間を捉えた映像を基に事件解決へと導き、犯人を特定する手がかりとして利用されます。
また、トラブルや事故が発生した場合にも、客観的な映像証拠が事実確認に役立ちます。
具体的な効果
・犯人特定の手がかり:事件発生時、防犯カメラが記録した映像を解析することで、犯人の服装や顔、車両のナンバープレートなど、犯行に関わる重要な情報を入手できます。これにより、警察はより迅速に犯人を特定し、逮捕に至る可能性が高まります。
・法的証拠としての活用:防犯カメラの映像は、裁判所での法的証拠としても使用されます。例えば、強盗事件や暴力事件において、映像が犯行の瞬間を捉えている場合、その映像が犯人の有罪判決につながる決定的な証拠となります。
・事故やトラブルの解決:交通事故や職場内でのトラブルなど、犯罪以外の問題でも防犯カメラの映像は解決の一助となります。例えば、駐車場内での接触事故や、従業員同士のトラブルにおいても、映像が客観的な証拠となり、迅速な対応を可能にします。
証拠収集のための防犯カメラは、商業施設やオフィス、公共交通機関、さらには一般家庭においても活用されており、問題発生時の迅速な対応と、後の事実確認に役立つツールとなっています。
防犯カメラ設置が「効果ない・意味ない」と感じる理由
防犯カメラの役割と効果について説明しましたが、わざわざ防犯カメラを設置しても「あまり効果がない」あるいは「意味がない」と感じてしまう方もいるようですが、それらの理由について解説します。
防犯カメラの役割の誤解
防犯カメラを設置したものの「犯罪に巻き込まれていないから意味がない」と感じる方もいるようです。
現実的な危険を感じないため
防犯カメラの設置が意味がないと感じる理由の一つに、日常生活で実際に犯罪に遭遇したことがない、または自分の周囲で大きな犯罪が発生していないという背景が考えられます。
このような環境では、防犯カメラが犯罪を抑止する役割を持つことが理解されていても、「今まで犯罪に巻き込まれていないから必要ない」という感覚が生じやすいです。
具体例
・安全な地域に住んでいる:犯罪発生率が低い地域や、治安が良いとされる場所では、「自分が被害者になる可能性は低い」と考える人が多く、そのため防犯カメラの必要性を感じにくいです。
・過去にトラブルがない:過去に自分や家族、知人が犯罪に巻き込まれた経験がない場合、防犯カメラの設置を予防策として捉えず、不要だと感じることがあります。
予防の重要性が理解されていない
ひと昔前の日本ではセキュリティ意識が低いことから、現代でも一部では予防策の重要性に気付かないというケースも少なくありません。
犯罪は未然に防ぐことがとても重要ですが、具体的な犯罪被害に遭わなければ、その予防策にお金をかける必要性を感じない方が多い傾向にあります。
もちろん犯罪に巻き込まれないことが一番望ましいですが、万が一、事件や事故に巻き込まれてしまってからでは遅すぎますし、最悪の場合、取り返しのつかないことにもなりかねないため、防犯カメラの設置は身を守るための重要な役割であることを理解しましょう。
防犯カメラの間違った運用方法
防犯カメラを設置したことによる安心感から、適切な運用がされておらず、本来発揮できる効果が発揮されていないことから効果を感じられないケースも考えられます。
設置場所やカメラの種類の選定ミス
防犯カメラ設置に効果がないと感じる理由の一つとして、不適切な設置場所やカメラの種類のミスマッチがあげられます。
防犯カメラには、多種多様な種類のカメラが発売されており、一般的に使われるバレット型とよばれる防犯カメラです。
このバレット型防犯カメラは一方向の広範囲を監視するのに向いていますが、言い換えると一方向しか監視することができないため、一台だけの設置では必ず監視しきれない死角ができてしまいます。
そのため、バレット型防犯カメラを利用する時は、目的とニーズに合わせて台数を検討しましょう。
このように、カメラの機種によってメリットデメリットが存在するため、目的やニーズに合わせてしっかりと機種や設置場所、角度などを計画することが大切です。
画質や解像度が低く、証拠として使えない
防犯カメラの設置に効果がないと感じる理由として、防犯カメラの画質や解像度が必要なレベルに到達していなく、犯罪が起きた時の証拠として映像を利用できないことがあげられます。
例えば、夜間の監視映像は、昼間の監視に比べて、画質が悪くなる傾向が高く、 犯罪が起きた時に、犯人を特定するだけの証拠となりえないケースもあります。
ただ、夜間でも画質や画像の解像度が悪くならないような防犯カメラも存在するので、予算を考慮しながらその場所に適した防犯カメラを検討しましょう。
メンテナンス不足や録画データの不備
防犯カメラの設置に効果がないと感じる理由にメンテナンス不足や録画データの不備もあげられます。
防犯カメラは、機械であるため定期的にメンテナンスを行わないと、カメラ本体が壊れやすくなったり、防犯カメラのレンズに汚れが付着したりして、正常な監視が出来なくなることなどが考えられます。
また、録画データが防犯カメラ自体に記録されるタイプのものであれば、定期的に録画がされているのか確認する必要もあります。
防犯カメラが逆効果になるケース
防犯カメラの設置が犯罪の抑止どころか、犯罪を助長してしまうケースについても解説していきます。
不適切な設置で逆にプライバシー侵害の懸念
防犯カメラは、24時間365日監視を行うことができますが、適切な設置や映像データの使い方によっては仇となり、個人のプライバシーを侵害してしまうこともあります。
例えば、AI搭載型の防犯カメラは、画像に映っている人物の動作や、顔の特徴から、その人が誰かを特定する高性能な防犯カメラもあります。
そのような高性能なAI防犯カメラを、プライバシーレベルの高い場所に設置してしまうと、特定の人物の足取りや行動が解析できてしまうため、プライバシーを侵害することが危惧されます。
また、一軒家の個人宅で近隣住民の方と隣接している場合は、設置場所や角度が適切でないとご近所の方の生活状況が録画されてしまうため、プライバシーの侵害に抵触してしまう恐れもあります。
そのため、防犯カメラの設置をプロの業者にお願いすることや、ご近所の方に防犯カメラの設置する目的を丁寧に説明することが大切になります。
映像の不正アクセスによるセキュリティリスク
最近の防犯カメラは、インターネット接続により、リアルタイムの映像を確認できたり、インターネット上に存在するデータ保管庫(クラウドストレージ)に映像記録データを保存することとができます。
ちなみに、このクラウドストレージは、インターネットに接続されたサーバーにデータを格納するサービスで、場所や時間を問わずデータにアクセスできる特徴があります。
そのため、映像データをサーバー上に一元管理できたりバックアップを取ることができたり様々なメリットがある反面、インターネットを介して、映像データに不正にアクセスされるクラッキングやハッキング行為の標的にされてしまう環境にあるというデメリットも発生してしまいます。
そんなクラウド上に管理された映像データを保護するためには、強固なセキュリティを構築していくことも必要となります。
防犯カメラへの過信で他の防犯対策がおろそかになる
防犯カメラの設置が逆効果となる例としては、防犯カメラの監視レベルの高さから、その他の防犯対策がおろそかになってしまうこともあげられます。
近年の防犯カメラではAIが搭載されたモデルは検知機能により、異常があれば即座に通知が届くために、迅速に対処することができるようになりましたが、過信しすぎないよう基本的な防犯対策をいくつも実施することが非常に大切です。
その他の防犯対策とは、例えば警備員による定期的な見回りや、人感知センサーによるライトの照射と警報音の発声などにより、一つ二つの防犯対策よりも複数の防犯対策を施すことで、安易に犯行するにはリスクが高いと思わせることにより犯行を抑止させる効果に期待できます。
防犯カメラ設置の効果を高めるための対策
防犯カメラの効果を最大限に高めるための対策については今までのおさらいを含めてしっかりと解説していきます。
適切な設置場所とカメラの選び方
防犯カメラの設置場所と適切な性能の防犯カメラを選び、設置場所を選ぶポイントは死角を無くすことです。
目的やニーズを考慮したうえで、予算を組み、防犯カメラの設置台数や性能・機能面を検討しましょう。
特に犯罪が起きやすい夜間でも、画質の鮮明さを担保できる防犯カメラを設置することが重要となります。
定期的なメンテナンスとデータ管理の重要性
防犯カメラは、外部環境や使用状況によって徐々に劣化するため、定期的なメンテナンスが不可欠です。
特に屋外に設置されたカメラは、風雨や埃、温度変化などにさらされ、カメラのレンズやセンサーが劣化する可能性があります。
カメラのレンズが汚れていると、映像がぼやけてしまい顔や特徴などの重要な情報や犯行の瞬間が鮮明に記録されない可能性があるため、レンズの定期的な清掃により、鮮明な映像を確保できます。
他にも、カメラ本体やケーブルの損傷、固定具の緩みなどを定期的に確認することで、物理的な故障を防ぐことや映像の乱れなどに気づくことができるため、不具合の早期発見に繋がります。
また、映像データの管理については、防犯カメラの記録データは一定期間経過すると上書きされることが多いため、定期的に重要な映像データをバックアップし、必要に応じて保存期間を延長することが大切です。
さらに、ソフトウェアやファームウェアの更新により、バグや脆弱性が修正され、システムの安定性が向上し予期せぬ停止や映像の保存エラーなどを防ぐことができます。
そして、不正アクセスやデータ漏洩を防ぐためにも定期的なセキュリティパッチの適用を施すことが重要です。
他の防犯対策との併用
防犯カメラは適切な運用ができれば、犯罪の抑止や、犯罪が発生した時の早期解決につながりますが、防犯カメラのみの防犯体制はおすすめできません。
犯罪者の中には、防犯カメラを恐れずに犯行に及ぶケースもあるため、複数の防犯対策を施すことが大切です。
もちろん防犯カメラの設置は、犯罪抑止や証拠収集において非常に効果的ですが、カメラ単独だけでは防犯対策としての限界もあるため、物理的、心理的、技術的な防犯対策を組み合わせることで、総合的なセキュリティレベルが向上します。
警報システムとの併用
警報システム(アラームシステム)を併用することにより、犯罪者に対する威嚇効果が高まります。リアルタイムでの対応力が弱い場合があります。
照明との併用
照明(センサーライト)の併用は、特に夜間や視界が悪い場所で効果的です。
照明がないと、防犯カメラの映像が不鮮明になり、証拠としての効力が欠けることになります。
またセンサーライトは、人が近づくと自動的に点灯するため、犯罪者や不審者を暗闇からあぶり出し心理的な威圧を与えると同時に、カメラに鮮明な映像を記録させる効果に期待できます。
物理的障害物との併用
防犯カメラだけでなく、フェンスやゲート、鍵、窓シャッターなどの物理的障害物を設置することで、侵入そのものを防ぐ効果が高まります。
物理的なバリアと組み合わせることで、犯罪者が建物への侵入をあきらめさせること効果に期待ができます。
地域コミュニティとの協力
防犯カメラは、地域住民や近隣の協力を得ることで、犯罪発生の早期発見や情報共有が可能になります。
防犯カメラは、特定の場所を監視するだけではなく、周囲のコミュニティ全体で防犯意識を高めるための一環として役立ちます。
AI技術や分析ツールとの連携
近年の防犯カメラは、AI技術やデータ分析ツールと連携することで、より高度な監視や異常検知が可能になっています。
AIを活用することで、防犯カメラが単に映像を記録するだけでなく、不審な行動や異常なパターンをリアルタイムで検出し、迅速な対応ができるようになります。
まとめ
防犯カメラを設置することは犯罪抑止や万が一の事件や事故の記録映像が証拠として活用できるため、効果がなかったり意味がないということは決してありません。
ただし、防犯カメラだけの防犯対策ではなく、他の防犯対策を組み合わせることにより、さらに高い防犯効果を発揮し、犯罪抑止と証拠収集能力を最大限に高めることに繋がります。
近年では個人宅への侵入や空き巣被害も増えているため、より安全な環境の構築に防犯カメラの設置が推奨されています。
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