2024年4月から、貸切バス及び観光バスにおける点呼中の記録を動画にて保存することが義務化されます。
点呼の実施者と運転手は、その様子をビデオ撮影し、両者の顔がはっきりと映り、音声も明瞭に録音されるようにしなければなりません。
また、運転手が遠くにいる場合は、電話点呼が許可されており、この際は音声のみを記録することが求められます。
今回は、貸切バス(観光バス)の点呼記録に関して条件や保存期間などを解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
貸切バス(観光バス)の点呼記録とは
貸切バス(観光バス)の点呼記録は、運転手の朝礼中の点呼のことをいいます。
この点呼を動画で記録することが義務化となった背景として、静岡県の県道(ふじあざみライン)で2022年10月に発生した大型観光バスの横転事故で、乗客1名が死亡し、27名が重軽傷があります。
この悲劇を受け、国土交通省は同様の事故を防止するため、運行管理の実態を考慮し、貸切バスの安全性向上に向けた対策を大幅に強化することを決定しました。
これに基づき、2023年10月に関連法令である旅客自動車運送事業運輸規則を改正しました。
点呼記録の動画保存が義務化される条件とは
点呼記録の動画保存が義務化される条件は以下のような内容となっています。
第 24 条 点呼等
(3) 業務前、業務後及び業務途中の点呼等の記録等
(第 5 項)
点呼の確実な励行を図るため、点呼を行った旨並びに報告及び指示の内容を記録し、かつ、その記録の保存を 1 年間(一般貸切旅客自動車運送事業者にあつては 3年間)義務付けたものであるが、点呼等の際には、次の①~③の事項について記録しておくこと。また、点呼を行った旨並びに報告及び指示の内容の記録、保存については、「運行記録計による記録等の電磁的方法による記録・保存の取扱いについ て」(平成 10 年 3 月 31 日付け自環第 72 号)によらず、書面又は電磁的方法による記録・保存のいずれでも差し支えない。ただし、一般貸切旅客自動車運送事業者にあつては、書面ではなく電磁的方法による記録の保存をしなければならない。 一般貸切旅客自動車運送事業者による電磁的記録の保存には、点呼記録をシステムに入力して即座に自動的に保存されるもののみならず、パソコンの表計算ソフト等で入力したものを改ざんが容易でない方法で保存することや、手書きの点呼記録簿等をスキャナ(スマートフォンやデジタルカメラ含む)で読み取った形式で保存することを含む。いずれの記録においても、改ざんが容易でない形で保存する作業 は、点呼を実施した日から 1 週間以内に保存すること。 ①~③ (下記を参考)点呼の確実な励行を図るため、点呼を行った旨並びに報告及び指示の内容を記録し、かつ、その記録の保存を 1 年間義務付けたものであるが、点呼等の際には、次の事項について記録しておくこと。また、点呼を行った旨並びに報告及び指示の内容の記録、保存については、「運行記録計による記録等の電磁的方法による記録・保存の取扱いについて」(平成 10 年 3 月 31 日付け自環第 72 号)により、書面による記録・保存に代えて電磁的方法による記録・保存を行うことができる。
① 業務前点呼
イ.点呼執行者名 ロ.運転者等の氏名 ハ.運転者等が従事する運行の業務に係る事業用自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等 ニ.点呼日時 ホ.点呼方法 (イ)アルコール検知器の使用の有無 (ロ)対面でない場合は具体的方法 ヘ.運転者の酒気帯びの有無 ト.運転者の疾病、疲労、睡眠不足等の状況 チ.日常点検の状況 リ.指示事項 ヌ.その他必要な事項
② 業務後点呼
イ.点呼執行者名 ロ.運転者等の氏名 ハ.運転者等が従事した運行の業務に係る事業用自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等 ニ.点呼日時 ホ.点呼方法 (イ)アルコール検知器の使用の有無 (ロ)対面でない場合は具体的方法 ヘ.自動車、道路及び運行の状況 ト.運転者の酒気帯びの有無 チ.交替運転者等に対する通告 リ.その他必要な事項
③業務途中点呼
イ.点呼執行者名 ロ.運転者等の氏名 ハ.運転者等が従事している運行の業務に係る事業用自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番 号等 ニ.点呼日時 ホ.点呼の具体的方法 ヘ.自動車、道路及び運行の状況 ト.運転者の疾病、疲労、睡眠不足等の状況 チ.指示事項 リ.その他必要な事項
運転者や事業主は、動画データを適切な方法で保存・管理し、プライバシー保護に注意を払うことが求められます。
点呼記録の動画保存の義務化に関する法律や規制
動画保存の義務化に関する法律や規制については、国土交通省の「旅客自動車運送事業運輸規則の解釈及び運用について」にて定まっています。
(4)点呼等の状況の記録(第 6 項及び第 7 項) (新設)
「録音及び録画」する機器は、点呼実施者・運転者側双方の音声が確認でき、かつ、運転者に対して点呼を実施している様子が確認できる映像が保存されていれば、監視カメラ、ノートパソコンに内蔵されている Web カメラ、デジタルカメラ、スマートフォン等幅広く認められる。点呼時の「録音及び録画」データ及び呼気の検査を行っている状況の「写真」データ(以下「動画データ等」という。)について、記録日がデータ表示画面や保存日から判別できない場合(例:事業場の撮影を常時行った場合であって、画面データに撮影日が入力されていない場合等)には、記録日がいつであるか分かるように動画データ等と合わせて保存しておくこと。動画データ等について、事業者内で利用するものの他、国の監査及び旅客自動車運送適正化事業実施機関で実施する巡回指導の際に参照する場合がある。動画データ等の情報の取扱いについて、あらかじめ従業員に同意を得ておくことが望ましい。また、従業員のプライバシーに配慮するため、動画データ等について、必要に応じてアクセスできる者の制限、パスワードの設定、ウイルス対策等を実施することが望ましい。 録音、録画及び撮影する機器(以下「録画機器等」という。)について、正常に作動しているか確認をすること。録画機器等が故障した場合にあっては、その後数日間録音、録画及び撮影ができない恐れがあることから、それを証するものとして故障日時、故障内容について記録し、90 日間電磁的方法で保存すること。また、故障した機器については速やかに修理又は交換を行うこと。
(出典:国土交通省「旅客自動車運送事業運輸規則の解釈及び運用について」より)
点呼記録の動画保存の実施方法と注意点
動画を保存する際には、録画するカメラと別にレコーダーの設置が必須となります。
動画保存する際は90日間のデータを確実に保存されている必要があるため、保存するデータの容量をしっかり把握することが大切です。
データの容量は、2.5~3TB(テラバイト)程度は必要となります。
2.5TB~3TBは100~120日程度の録画データを保存することが可能であります。
また、1日ごとに毎回SDカードを取り出してパソコンにデータを移行するのはヒューマンエラーが生じるため、導入する監視カメラなどの録画機器は最低でも3カ月間の動画データを残せるHDDを選ぶようにしましょう。
まとめ
貸切バス(観光バス)の点呼記録を動画で保存する義務化は、安全確保とトラブル対応のために重要な措置です。
適切な条件と保存期間を遵守することで、旅行者の安全を守り、万が一の事故や問題にも迅速に対応できる体制を整えることができます。
これらの規定に従い、貸切バス事業者は責任を果たし、安全な旅行環境を提供することが求められるため、適切な監視録画システムを導入し、保存期間も遵守して安心安全な運航業務を保つましょう。
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