ネットワークカメラの通信規格はメーカーがそれぞれ独自の規格で通信しています。ネットワークカメラとNVRを接続する際に同じ規格である必要がありますので、カメラの増設や機器の交換の際にメーカーを合わせなければならずとても不便なものでした。そこで国際標準規格として登場したのがONVIFです。今回はONVIFの成り立ちと特徴について解説いたします。
目次
ONVIFとは
ONVIF(Open Network Video Interface Forum)ネットワークカメラメーカーのソニー、アクシス、ボッシュが立ち上げたインターフェースの互換性に関する国際標準規格です。この規格を推進するフォーラムには日本においてもアクシスを買収したキヤノン、パナソニック、横河電機などが参加しています。
ONVIFのメリット
ONVIFのメリットは違うメーカー同士の機器を接続して使用することが可能なことです。他社のネットワークカメラやNVRが接続可能になればそれだけ柔軟にシステムを構築することができます。映像データ及びPTZ制御、カメラの映像設定などをONVIFで通信することができるようになるので、ユーザー側のメリットを考慮した互換性通信規格になります。
ONVIFプロファイルについて
ONVIFはアップデートを繰り返しています。メーカーにより機能や性能がアップデートされるにつれて、それらを補完するような形でアップデートを繰り返しています。規格が誕生した当初はver1、ver2など分類されていましたが、アップデートされる度にバージョンごとの互換性がなくなるという問題があったため、プロファイルという形で規格を分類しました。それにより上位プロファイルとの互換性を担保できました。
プロファイル |
概要 |
リリース年 |
アクセス制御の設定など |
2012 |
|
サイト情報、イベント及びアラーム管理、ドアアクセス制御 |
2013 |
|
ビデオ録画やストレージ |
2014 |
|
簡易セットアップやクイックスタート、準拠デバイスの制御など |
2016 |
|
アクセス制御の設定 |
2017 |
|
H.265のサポート、モーション検知、メタデータ情報のストリーミングなど |
2018 |
|
アクセス制御周辺機器 |
2020(リリース候補) |
|
スマートアプリ用のメタデータ通信や解析のイベント処理 |
2020(リリース候補) |
ONVIFのデメリット
ONVIFのデメリットとしましては、メーカーにより互換性が取れない場合があるという点です。例えば2020年の4月に発表された情報によれば中国大手のHikvision社とDahua社の製品はONVIF規格から除外されました。2社の新製品については最新のONVIF規格をサポートしませんので、中には例外的に互換性がない機器が存在するということです。ONVIF対応だからといって、必ず互換性があるわけではないので導入する前に注意が必要です。
参考資料
ONVIF公式サイト(英文)
IPVMレポート
https://ipvm.com/reports/hikvision-dahua-onvif-conform
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