マンションの管理や経営をされているオーナーの皆さまにとって、防犯対策は重要なテーマのひとつです。
特に近年は、不審者の侵入や駐輪場でのいたずら、ごみ置き場でのマナー違反など、小さなトラブルが後々の大きな問題へと発展することも少なくありません。
今回は、マンションにおけるAI防犯カメラのメリット・デメリットについてわかりやすく解説していきますので、最後までお読みいただき導入の検討についてご紹介します。
目次
AI防犯カメラとは?従来型カメラとの違い
AI防犯カメラの仕組みや従来型カメラとの違いについて解説します。
人や車の動きを自動で検知
自動で感知するAI防犯カメラは、レンズに映る人物や車両の動きをリアルタイムで検知します。
長時間うろつく、深夜に近づくなど、不審と判断される動作があった場合には、システムで即座に通知可能です。
特定の人物を識別
顔認識技術により、特定の人物や車両を識別できます。
これにより、たとえば「過去にトラブルを起こした人物が再び現れた」といったケースにも対応が可能です。
スマホやパソコンへの通知機能
異常が検知されると、リアルタイムで管理者のスマートフォンやパソコンへ通知が送られます。
これにより、即時対応や確認ができ、トラブルの拡大を防ぐことが可能です。
AIによって、従来の防犯カメラでは難しかった 「未然防止」の役割を果たせるようになったのが最大の違いと言えます。
マンションにAI防犯カメラを設置するメリット
実際にAI防犯カメラを設置した場合に得られる具体的な利点をご紹介します。
防犯効果が高まる
AIは不審な動きを瞬時に検知し、アラートを送ります。従来の録画中心の防犯対策では見逃しがちだった行動も、リアルタイムで察知できるのが強みです。
また、AIは時間帯や場所による傾向を学習するため、夜間や人気のない場所に特化した監視も得意とします。
不審な動きを事前に察知し、トラブルの未然防止につながるのは大きな安心材料です。
管理コストの削減
人が24時間監視するのは難しく、警備委託にも費用がかかります。AIカメラはその補助として機能するため、警備の負担を減らし、長期的にはコスト削減にもつながるのです。
また、AIによる自動通知と映像分析によって、管理人や管理会社が逐一確認する手間が減り、人件費や作業時間の効率化も見込めます。
従来の監視体制から一歩進んだ省力化の仕組みといえるでしょう。
入居者への安心感を提供
「AIによる防犯監視中」という表示があるだけでも、住民には安心感があります。
防犯設備の充実は、入居者満足度の向上にもつなげることが可能です。
特に、小さなお子さまがいるご家庭や高齢者の方には、安心できる住環境が重視されます。
AIカメラの存在は、そうした方々のニーズに応える要素として、マンションの魅力を高められるのです。
トラブル時の対応がスムーズに
ごみ出しのマナー違反や共用スペースの利用トラブルなど、録画データをもとに正確な事実確認ができるため、スムーズな対応が可能になります。
AIは映像の中から必要な場面を素早く抽出できるため、該当時間帯の映像を何時間もさかのぼって探す手間も省くことが可能です。
入居者との対応でも客観的な証拠をもとに説明できることで、トラブルが早期に収束する傾向があります。
抑止効果が高い
不審者にとって、AIカメラは強い抑止力になります。
たとえば、「人物検知」「車両認識」などの表示があることで、侵入もためらう心理が働くからです。
特に、AIカメラは行動分析(エリア侵入検知等)ができることから、従来の監視カメラよりも「発見されやすい」という印象を与えます。
これが結果的に、犯罪の企図そのものを減らすことに寄与するのです。
導入前に知っておきたいデメリットと注意点
便利なAI防犯カメラですが、導入にあたって注意しておくべき点もあります。
トラブルを避けるためにも、デメリットや課題をしっかり押さえておきましょう。
プライバシーの問題
高性能な認識機能があるため、入居者から「監視されすぎている」と感じられる場合もあります。
設置前には管理組合での説明や合意形成が必要です。
初期費用が高め
AI対応カメラは1台あたり数十万円程度が相場です。
録画用のサーバーやネットワーク環境の整備、クラウド保存の月額費用も考慮する必要があります。
誤検知・過剰通知
風で揺れる物体や小動物の動きなどを不審と判断してしまうケースもあります。
通知が多すぎると、管理側も対応に追われてしまうため設定調整が重要です。
通信障害リスク
クラウド型の場合、インターネットに依存するため、通信障害時は録画・通知機能が一時停止する可能性があります。
ローカル保存と併用すると安心です。
導入のポイントと選び方ガイド
AIカメラを効果的に使うためには、導入前の計画段階から慎重に検討することが必要です。
適切な設置場所の選定、用途に合ったカメラの選び方、信頼できる業者との連携が、導入後の満足度に大きく関わってきます。
設置場所を明確にする
特に、トラブルが起きやすいエントランス、駐車場、ゴミ置き場、エレベーター内などを優先しましょう。
死角がないように複数台を組み合わせるのが効果的です。
また、建物の構造や入居者の動線を意識することで、より効率的な監視が可能になります。
たとえば、共用通路や非常階段といった見落とされがちな場所にも注意を払いましょう。
見せるカメラ vs 隠すカメラ
「見せるカメラ」は防犯抑止の効果を発揮します。
なぜなら、カメラがあることを強調することで、不審者の行動を未然に防ぐ心理的効果があるからです。
一方で「隠すカメラ」は証拠収集に役立ちます。問題行動の証拠を確実に押さえたい場所では、目立たない設置が有効です。
用途や場所に応じて使い分けることが、より高い効果を生むポイントとなります。
保存期間と管理体制
映像の保存期間は一般的に1週間〜1ヶ月が目安ですが、過去のトラブルに備えて1ヶ月以上の保存が望ましい場合もあります。
ちなみに、保存先はクラウド型とローカル型です。
クラウド型はデータ消失リスクが少なく、どこからでも映像確認ができるメリットがあります。
一方、ローカル型は通信障害に左右されにくく、セキュリティ性が高いという特長があります。
どちらが自分のマンションに合っているかを見極め、必要であれば併用するのもよいでしょう。
信頼できる業者選び
AI防犯カメラは高度な技術を要するため、設置や設定をしっかりサポートしてくれる業者選びが重要です。
特に防犯設備士が在籍する企業や、マンション向けに導入実績の多い会社であれば安心できます。
また、導入後のメンテナンス体制や、AIソフトウェアのアップデート対応があるかどうかも確認しましょう。
万が一の故障時に迅速に対応してくれるサポート体制の有無が、長期的な安心感につながります。
導入事例|AI防犯カメラが活躍したケース
事例1:駐輪場のイタズラ被害を未然に防止(30戸)
深夜に自転車を倒したり部品を盗んだりといった被害が続いていた物件。AIカメラ導入後、不審者の動きを検知して通知され、管理会社が即座に対応。被害がゼロになりました。
事例2:ごみ置き場のルール違反を改善(60戸)
曜日を守らずゴミを出す住民が多数。AIカメラで録画と通知が可能になり、注意喚起の張り紙と連携して問題が改善。住民トラブルも減少しました。
事例3:空き巣被害を防いだAI通報(40戸)
エントランス前で不審にうろつく人物をAIが深夜に検知。スマホ通知を受け取った管理人が警備会社に連絡し、空き巣未遂を未然に防ぎました。
事例4:AIカメラの導入で入居率アップ(分譲型)
高齢者や子育て世帯の多いマンションで、安全対策を強化するためAIカメラを設置。内見者からの評価が高まり、半年で空室が大幅に減少。
まとめ
AI防犯カメラは、防犯性だけでなく日々の管理業務の効率化にも役立つ新しいツールとなっています。
しかし、コストやプライバシーの課題はありますが、それを上回る価値を実感しているオーナーも少なくありません。
マンション経営に安心と信頼をプラスする選択肢として、ぜひAI防犯カメラの導入を前向きにご検討ください。
もし、「マンションに適したAI防犯カメラを導入したい」「マンション管理に最適なカメラの選び方が知りたい」という方は、ぜひお問い合わせください。
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